下だんじりの特徴である豪快な「やりまわし」は、曳き綱の付け根を持つ綱元(つなもと)がラインと速度を決め、屋根上の大工方(だいくがた)が指示を出し、台木後方に挿し込まれた後梃子(うしろてこ)を外側へ振って行う。
その際、前内輪の前へ前梃子(まえてこ)を当て、様々な曲率に合わせた微調整をし、だんじりの平側に乗車するタカリまたはセミと呼ばれる役が、外側は降車し内側は増員するなどして遠心力に対応し、ブレーキ担当者が必要に応じてブレーキを踏む。 前梃子の担当は左右に1人ずつで、互いの呼吸を合わせることが重要であるため、親友同士で務めるケースが多い。 また、細心の注意を払う危険な役割であるため、禁酒している者も多い。 後梃子の担当は20-30人で、後梃子から枝状に伸びた緞子(どんす)や梃子尻を持っている。 大工方は主屋根に1人、後屋根に3人程が乗り、前方の進路を監視して団扇を使って後梃子に指示を出す。 狭い路地では小刻みに指示を出す必要がある。 |