JR新宿駅(東京都新宿区)周辺に分散している19の高速バスの発着所を1か所に集約する交通ターミナルが来春3~4月頃、新宿駅南口地区に誕生する。。
1日のバス発着便数が約1600という国内最大のバスターミナルとなる。
ますます便利になる新宿駅 (^_^;)
駅と直結して鉄道との乗り換えがスムーズになり、周辺の渋滞緩和も期待されている。
交通ターミナルは、国道20号(甲州街道)を挟んで同駅南口の 向かい側に位置する。
国とJR東日本が進める再開発事業の一環で、国が山手線や中央線などの線路の上の空間に約1・5ヘクタールの人工地盤を建設。
1階は 現在のJRホームで、2階に改札などの駅施設、3~4階にタクシーやバスの乗り場が設けられる。
国土交通省がJR新宿駅のホーム上部で整備を進めている「新宿南口交通ターミナル」。
新宿駅周辺に点在する高速バスの発着所を集約するとともに、タクシー 乗降場や駅施設、歩行者広場を新たに整備。各種交通機関との乗り換えを容易にする狙いがある。
2016年春の完成を目指している。
JR新宿駅南口を出て、国道20号(甲州街道)を挟んだ場所で、「新宿南口交通ターミナル」の整備が進む。2015年11月4日、現場見学会を報道機関向けに開催した。
新宿南口交通ターミナルは、3つの階層で構成されている。
国道20号(甲州街道)と接し、JR新宿駅の改札や歩行者広場を設ける2階部分と、タクシー乗降 場を設ける3階部分、高速バスの乗降場や待合施設を設ける4階部分だ。
JR新宿駅ホームの上部で、駅施設を持つ2階部分の面積は、約1.47ha(ヘク タール)に及ぶ。
完成予想図(資料:国土交通省東京国道事務所)
■分散施設を集約
新宿駅周辺では、高速バスの発着場が広域に分散している。
駅から遠い発着場も存在し、各種交通機関との乗り換えの面で利便性が良いとは言い難かった。
新設する交通ターミナルではこれらを集約。
国内で最高となる15バース(荷物の積み下ろしを行ったり停泊したりする場所)を擁する高速バスターミナルとなる見込みだ。
1日当たりの高速バスの発着便数は1625に達する見通しで、こちらも国内最多になるとみられている。
高速バスの乗降施設の完成イメージ
新宿南口交通ターミナルの4階部分の状況
4階には高速バスに乗降できる12バースとバス11台が待機できるスペースを構築する。
さらに、屋上緑化も図る。
数多くのバスやタクシーが出入りする施設が新たに完成するので、そのアクセス箇所での渋滞や安全対策などへの懸念がある。
国交省では、そのための複数の対策を講じている。
一つは、国道20号と新宿南口交通ターミナルとのアクセス部分における道路施設整備だ。
■国道20号、2車線から3車線へ
まずは、施設 出入り口付近の国道20号において、新たに右折レーンと左折レーンを整備。
施設への円滑なアクセスを狙う。
一方、施設から国道20号に車が出て行く箇所で は、左折用2車線と右折用1車線の合計3車線を交通ターミナル側に整備する。
さらに、国道とぶつかる部分には新たに信号を設置する。
3階のタクシー乗降場と国道20号へのアクセス路の配置を示す図
現在は片側2車線で運用している国道20号については、片側3車線に改める。
また、現状の国道20号で散見されるタクシーの客待ちなどは、タクシー会社な どの団体を通じた周知で改善していく。
加えて国交省では、施設前の国道20号が駐停車禁止である点を踏まえ、警察と連携して車の滞留を防ぐ考えだ。
施設では、ヒートアイランド対策として、半たわみ性舗装を用いたり、屋上・壁面緑化を図ったりする。
さらに、大気汚染の抑制効果を狙って光触媒を壁面などに施す計画も立てている。
■現場で進む設備工事
現在は2016年春の完成に向けて、内外装の整備やエスカレーターなどの設備工事を中心に進めている。
工程は順調に進行しているという。
交通ターミナル部の施工は、大林組と鉄建、大成建設、大和小田急建設(現在はフジタ)のJV(共同企業体)が担当している。
駅の設備などを除いて新宿南口交通ターミナルの整備に国が投じた費用は約700億円。
駅施設などについてはJR東日本が整備を進めている。