ひかりの輪

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「ひかりの輪」の観察処分取り消す判決 東京地裁

オウム真理教から名前を変えた「アレフ」(オウム真理教・麻原彰晃=松本智津夫派)と、そこから分裂した「ひかりの輪」(オウム真理教・上祐史浩派)が、団体規制法に基づく観察処分で活動が制約されているのは不当だと訴えた裁判で、東京地方裁判所はアレフの訴えを退けました。

一方、ひかりの輪については、「死刑囚・麻原彰晃=松本智津夫に対する絶対的な帰依が否定され、アレフとは性格が異なる」として観察処分を取り消す判決を言い渡しました。

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あー言えば じょーゆー

 まだ生きてたんだー (;´Д`)

 

オウム真理教による一連の事件を受けて、公安審査委員会は、無差別の大量殺人を起こした団体を対象とする団体規制法に基づいて、アレフと、ひかりの輪に対して、立ち入り検査や資産の報告などを義務づける観察処分を適用しています。

これに対してアレフと、ひかりの輪は、処分の取り消しを求めていました。

25日の判決で東京地方裁判所の林俊之裁判長は、アレフについては、麻原彰晃、本名、松本智津夫死刑囚が今も絶大な影響力を持ち危険性が存在しているとして、訴えを退けました。
一方、ひかりの輪(オウム真理教・上祐史浩派)については、「団体の基本理念で松本死刑囚に対する絶対的な帰依が否定され、少なくとも表面的にはアレフとは性格が相当に異なっている」と指摘しました。
そのうえで、「団体の設立以降、アレフと同じ施設を利用したといった証拠はなく、1つの組織体と認めることはできない」として観察処分を取り消しました。
25日の判決に対して国が控訴すれば、当面、観察処分は継続され、2審の東京高等裁判所で再び争われることになります。

上祐代表「公安調査庁に損害賠償求める」

判決のあと、「ひかりの輪」(オウム真理教・上祐史浩派)の代表・上祐史浩(54)が会見し、「公安調査庁は、ひかりの輪が『麻原隠し』をしていて、オウム真理教と共通の目的を持っていると主張していたが、具体的な根拠がないことが認められた。ほっとしている」と述べました。
そのうえで、「社会的圧力を受けた結果、団体の収益をもとに事件の被害者に賠償することも抑圧された。公安調査庁に対して損害賠償を求め、認められれば、その一部を被害者への賠償に上積みしたい」と述べました。

「ひかりの輪」とは

「ひかりの輪」(オウム真理教・上祐史浩派)は、オウム真理教の幹部だった上祐史浩が平成19年に設立しました。
公安調査庁などによりますと、設立の背景には、オウム真理教から名前を変えた「アレフ」の内部で、活動方針などをめぐる対立があったものと見られています。
「ひかりの輪」(オウム真理教・上祐史浩派)の設立にあたって上祐史浩は、麻原彰晃、本名・松本智津夫死刑囚からの脱却という方針を打ち出し、かつての教祖と距離を置く姿勢を示しました。
現在も、「宗教ではなく東西の思想哲学の学習教室」などとアピールし、年に3回開かれるセミナーや、上祐史浩が聖地と定めた神社仏閣などをめぐるツアーを、一般に募集するなど活動を続けています。
公安調査庁によりますと、「ひかりの輪」(オウム真理教・上祐史浩派)の関連施設は、東京・世田谷区のマンションなど全国に合わせて8か所あり、信者の数はおよそ150人に上っています。
また、保有資産は、ことし7月末の時点で1000万円余りとされています。
公安調査庁は、「団体規制法」に基づく立ち入り検査の結果などを根拠に、「ひかりの輪」(オウム真理教・上祐史浩派)は対外的なアピールに反して、松本死刑囚の影響を今も受けていると見て監視の対象としています。

アレフ「判決としては不当」

「アレフ」の荒木浩広報部長は「アレフへの判決としては不当だが、18年目にして観察処分の一角が崩されたことの意味は小さくないと思う」というコメントを出しました。

団体規制法に基づく観察処分とは

観察処分は、オウム真理教による一連の事件を受けて制定された「団体規制法」に基づいて、対象となった団体の活動に一定の制約を加えるものです。対象となるのは過去に無差別大量殺人を起こした団体で、公安調査庁の申請に基づいて、公安審査委員会が観察処分を適用するかどうか決定します。観察処分が適用されると、教団施設の所在地や資産などについて国に報告することが義務づけられるほか、公安調査庁の職員などが教団施設に対して立ち入り検査を行うことができます。
観察処分は平成12年にオウム真理教から名前を変えた「アレフ」に初めて適用され、その後は「ひかりの輪」も対象となり、3年ごとに更新されています。
今回の裁判は、おととし、公安審査委員会が観察処分を更新したことに対して、2つの団体がそれぞれ取り消しを求めて起こしたものです。このうち「ひかりの輪」は、オウム真理教から精神的にも物理的にも脱却したと主張し、団体規制法の対象となる「オウム真理教の教義に従う者によって構成される団体」ではないとして争っていました。

公安審査委員長「極めて残念」

判決について、観察処分の適用を決定した公安審査委員会の房村精一委員長は、「委員会の主張が裁判所に理解されなかったことは、極めて残念だ。判決内容を十分に検討し、適切に対応したい」というコメントを出しました。

住民「国には控訴してもらいたい」

「ひかりの輪」の拠点がある東京・世田谷区南烏山で解散を求める活動を続けている住民協議会の古馬一行会長は、「国の判決には驚きしかない。これまで17年間、われわれや警察、公安調査庁が1日も休まずに行った監視によって烏山地域では表立った活動ができなかっただけで、アレフもひかりの輪もオウム真理教の看板をかけ替えているだけにすぎない。国には控訴してもらいたい」と話しています。

サリン事件遺族「判決に驚いた」

オウム真理教が起こした地下鉄サリン事件の遺族で、被害者の会の代表を務めている高橋シズヱさんは、「判決には本当に驚きました。『ひかりの輪』が麻原彰晃から離れているというのは口ではいくらでも言えるし、活動を隠すこともできますが、オウム真理教の元幹部がいる団体は中身は同じだと思います。被害者や遺族は監視を続けることで安心を得てきましたが、これから団体が何をするのか怖いですし、社会にも不安が広がると思います」と話していました。
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