ダヴィンチ~草間弥生

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Image caption2017年に最も売れたアーティストを表した図。

男性は緑、女性は赤で示されている。出典:ミューチュアル・アート

2017年にオークションで最も高額で取引されたアーティスト100人のうち、女性はわずか13人だった。

女性トップは草間弥生氏(89)で、全体で13位。

昨年の取引額は6560万ドル(72億円)に上った。

草間氏は、上位50人で唯一存命のアーティストだった。
女性アーティストの2位はルイーズ・ブルジョワ、3位はジョアン・ミッチェル、4位はアグネス・マーティンだった。
女性アーティスト13人の合計取引額は2億6300万ドルと、100人全員の35億ドルの7.4%にすぎなかった。
なお、2017年の全体の首位はレオナルド・ダ・ヴィンチで、11月に「サルバトール・ムンディ」が4億5000万ドルで落札された。
2位はジャン・ミシェル・バスキアの3億3800万ドル。
これにアンディー・ウォーホル、サイ・トゥオンブリー、ロイ・リキテンスタインが続いた。
Yayoi Kusama

草間弥生氏

2017年に最も売れた女性アーティスト

1. 草間弥生:6560万ドル

kusoma

草間氏は、ポルカ・ドットが永遠に続くような絵画や彫刻が有名だ。
1950年代から60年代にかけてのポップ・アートに影響を与え、
金額面でも他の女性アーティストから抜きん出ている。
2. ルイーズ・ブルジョワ:3680万ドル

Louise Bourgeois Spider sculpture in London

六本木ヒルズにもあるね (^_^;)

フランス系米国人のルイーズ・ブルジョワは、人間の体形や体の部分、内臓などを再創造するような、示唆にとんだ彫刻を残した。また、大きなクモの彫刻も有名で、彼女の最も売れた作品として世界中に展示されている。2010年没。
3. ジョアン・ミッチェル:3050万ドル

Visitor walking past a Joan Mitchell artwork

ジョアン・ミッチェルは、抽象表現主義のシーンで、自然からヒントを得た薄い背景に力強い筆致で有名になった。今年に入ってある作品が1660万ドルで取引され、彼女のオークション記録を塗り替えている。1992年没。
4. アグネス・マーティン:2630万ドル

Agnes Martin exhibition, Tate Modern, 2015

アグネス・マーティンも、1950年代にニューヨークで活躍した女性抽象アーティストの1人だ。彼女のキャンバスは常に正方形で、よりミニマルなのが特徴。多くの場合、かすかな鉛筆の線と薄い色のブロックが描かれている。2004年没。
5. デイム・バーバラ・ヘプワース:1590万ドル

Dame Barbara Hepworth

デイム・バーバラは英国出身の彫刻家で、自然や人間の身体を思わせる大きな丸いブロックに、穴が空いている作品が有名だ。1975年没。

Presentational grey line

アート市場に関する情報を提供するミューチュアル・アート社でデータ分析を担当するケイト・トッド氏は、男女格差は、アーティストの価値を決める要素に潜む「体系的な性的バイアス」に起因しており、何年も前から存在していると話した。
何十年もの間、著名な美術館やギャラリーは男性によって運営され、男性アーティストの作品の展示や収集に注力してきた。ディーラーや個人のコレクターも圧倒的に男性が多い。
芸術情報誌「アート・ニュースペーパー」でアート市場担当の副編集長を務めるアンナ・ブレイディー氏も、「一般的に、男性のコレクターや芸術史学者、評論家は何世紀もの間存在している」と話した。
「彼らが女性アーティストを評価する能力がないとは言わないが、一定の偏見が差し挟まっているとは思う。女性アーティストは多くの場合、レーダーに引っかからない」
「出産や子育てといったことは、女性アーティストに何年もの間影響を与える。何世紀もの間、そして20世紀の何十年かの間、彼女たちは評価されなかったり、真剣に受け取られなかったりしてきた」
昨年12月に発表された調査では、女性による作品だと思われる場合、その作品を高く評価しない傾向があることが示唆された。ブレイディー氏はこれが「一般的なバイアス」だと話す。

見落としの罪

競売大手「サザビーズ」で現代芸術の上級国際専門家を務めるオリバー・バーカー氏は、芸術界では過去に「構造的な見落とし」があったが、「革命的な変化」が起こり始めているとしている。
英国では、テート美術館やサーペンタイン・ギャラリー、ホワイトチャペル・ギャラリーのディレクターは全て女性だ。直近6回のターナー賞の4回は女性が受賞した。そしてバーカー氏によれば、女性のコレクターやパトロンも増えているという。
「歴史的には芸術界は見落としの罪があっただろう。1950年代、60年代には、女性アーティストが男性優位の市場を突破するのはもっと大変だったといえる。」
「美術館のコレクションを見ると、テート美術館やメトロポリタン美術館、ポンピドゥー・センターなどの戦後のコレクションの多くは男性の作品だろう。機関や美術学校、競売会社でも、バランスを正そうとしている」
しかし、バーカー氏は競売会社で値段をつける際に性別は考慮していないと強調する一方で、価値を判断するには複雑な要素が絡み合うもので、値段は「現実に則したものでなければならない」と語った。
「我々には市場を反映することしかできない。(値段は)その作品の前例となるものが何か、人気となるアピールポイントや機会はあるかなどが元にならなければいけない」
「競売会社はまた、売り手と買い手を満足させる必要もある。歴史的に構造化されていた偏見のバランスを正そうとするというだけの問題ではない」
男女格差は競売会社だけの問題ではない。米国で最も興行収入の高かった映画で女性が監督だった作品はわずか11%だった。企業役員の女性の割合も、全世界でたった15%にすぎない。

変化の兆し

アート・ニュースペーパーのブレイディー氏は、芸術界では作品が最初に売買される商業ギャラリーの市場の方が男女のバランスが取れていると話す。しかし、オークションの現場にこの変化が行き届くまでのペースは「痛々しいほどに遅くなるだろう」という。
ミューチュアル・アートのトッド氏も、ギャラリーやディーラーは過去に見過ごされてきたアーティストや、出てきたばかりのアーティストを世に出そうと努力していると語った。
「現在、女性の現代アーティストにとってとても良い勢いが出てきている。彼らがより高いレベル、常に高い値段で取引されるアーティストの中心グループまでたどり着くにはもう少し時間がかかるだろう。それは単に、作品の量がその水準に達していないからだ」
「芸術界を塗り替えている女性アーティスト、遅かれ早かれ中心グループに混乱をもたらしてくれそうな女性アーティストがいるという、とてもワクワクする兆候がある」
(英語記事 One in eight top auction artists are women
 

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