珍しく実用的な本を読んだ
新潟大学の医学部教授が、患者にとって気になる点を取り上げ、分かりやすく、歯切れよく説明している
著者は、最新医学論文の審査に携わっているので、「医療の最先端」を踏まえつつ、従来の健康常識を次々にひっくり返している
疲労の原因物質が乳酸というのは過去の常識で、現在では疑わしいとされている
薬には副作用が付き物だが、まれに副作用が無い(ように見える)薬もある(例)コレステロール値を下げるシンバスタチン
鎮痛剤の進歩で、いまでは末期がんの激痛は著しく緩和されていて、普通に生活出来る場合も多い
魚を食べると健康に良い理由は、よく分かっていない(EPAやDHAの効果は認められない)
ビールのカロリーのうち、吸収されるのは3割程度なので、低カロリー食品と言える(ちなみに日本酒は2割程度)
野菜果物を十分に摂り、適度な運動を毎日すれば、ガンの3分の1は予防できる
傷口にはサランラップを巻け
ウイルスを防ぐには、花粉症用のマスクが良い
血圧治療薬で血圧は下がるが、死亡率は下がらない
「医療の最先端」といっても、この本が出たのが2007年(13年前)だから、その後にまたひっくり返っている健康常識があるのかもしれない
ちょっと気になったのは、本書の中に「睡眠時間は7時間がベスト」というのがあって、参考データ(↑)も付いてました
7時間というのは、ほぼ従来の健康常識通りですが、気になったのは
「睡眠が少ない人より、多い人の方が死亡率が高い」・・・(A)
とデータから読み取れる点です
私は今まで単純に、
「睡眠不足は不健康で、タップリ眠れば健康に良い」・・・(B)
と考えてたんだけど、上のデータはこれを否定しているように見えます
(A)が真実なら「現在の生活リズムを見直さなくちゃ!」とも思った
でもよく考えてみると、
睡眠時間が少ないのは、若い現役世代が多い
睡眠時間が多いのは、引退した高齢者が多い
とするならば、後者の死亡率が高いのは当然ですよね
いや、そうは言っても、私とは違って
多くの年寄りは早起きだから、長時間眠ってるとは限らない
ということも考えられる
何とも悩ましい・・・
(^_^;)