映画「太陽がいっぱい」
1960年公開の仏伊合作映画で、アランドロン(→)の出世作として有名な、映画史に残る名作
観るのはたぶん2回目か3回目で、63年前公開の映画だが、ほとんど古さを感じないし、良い映画は何回観ても良い
大富豪の息子フィリップと、婚約者のパリ娘マルジュ、そしてフィリップの貧しい友人トム(アランドロン)の絡み合いと殺人事件
舞台はイタリアで、カネのあるフィリップは豪遊し、マルジュは捨てられるかとイライラし、貧しいトムはフィリップに馬鹿にされながらも相手をする
原作は読んでないけど、ストーリーやミステリーのトリックは月並みで、それほど大した小説ではないように思う
それをこれだけの映画に仕上げた監督ルネ・クレマン(←)がスゴい
とにかく背景のイタリアの風景と音楽が素晴らしいし、女優もキレイだ
そして何より、主演がアランドロン
3人はフィリップが所有する豪華なクルーザーヨットに乗って海に出るが、口論からマルジュはヨットを降りてしまい、2人だけになってトムはフィリップを殺す
殺人の手口はかなり大胆で、バレないのが不思議なくらいに雑だが、何とかボロを出さずに進み、トムは大金もマルジュも手に入れる
海岸で太陽の光を浴びながら、成功に酔うトム
その直後に、有名なトンデモないドンデン返しが起きる
公開された1960年、日本はまだ高度成長以前の貧しい時代
いまの我々とは違って当時これを観た日本人には、イタリア人の豊かな生活が、まぶしく見えていたのではないかと思う
イタリア人は、第二次大戦で日本やドイツと同じ敗戦国なのに、さっさと裏切って降伏してしまい、最初から戦勝国だったような顔をしていた調子のいい連中だ(日本人も少しは見習うべし)
日本人とドイツ人が二人で酒を飲みながら
「今度やるときは、イタ公抜きでやろうぜ」
と話すのは有名なジョーク
しかしそのドイツ人がいま、イタリア人よりはるかにタチの悪い中国人とEV(電気自動車)で組んで大ヤケドを負っており、世界大戦で二連敗とか、つくづくドイツ人は歴史から学ぶのが苦手なのかとも思う(機械イジリは得意そうだけどね)
今回見た映画データは、39年前(1984年)に私がテレビ放送からVTRで録画し、後にデジタル化したもの(VTRテープは邪魔なので捨てた)
テレビ放送なので途中にCMが入るのだが、これがさすがに古い
テレビCMで商品価格を流すのは今では考えられないが、わずか21型のテレビ(今となっては小型画面で、もちろんブラウン管)が21万円、VTRも21万円していて、ビックリするほど高い
3年前に倒産したレナウンのCMもいっぱい入っていた
テレビなので映画解説があって、淀川長治さん(←)
久しぶりに「さよなら、さよなら、さよなら」を見ました
この映画が日本で公開された時に、淀川長治さんはフィリップとトムがホモ関係だと主張していたが、映画界からは無視されたらしい
淀川長治さんと言えば、自身もホモで有名
二人だけになったフィリップとトムの場面には、ハッキリそれと分かる描写は無いのだが、ホモにしか分からない微妙な何かを感じ取っていたのかもしれない
マスコミ関係者で淀川長治さんを担当した若い男は、たいてい狙われたみたい
もちろん、ジャニー喜多川(→)みたいな兇悪犯罪は、してないと思うけどね
(^_^;)