神社仏閣
試し突き
いよいよ今年も
あとわずかですねぇ
(^_^;)
京都の秋
読書 京都の旅
「近頃の旅ガイドは、グルメ本みたいで詰まらない」と言う文豪・松本清張が、自ら旅ガイドを作った
京都の名所旧跡40か所を選び、友人の歴史学者・樋口清之の協力を得ているので、歴史的な背景説明が豊富だ
清張自身も古代史に造詣が深いので、古代史への言及も多い
第二次大戦で日本の大都市のほとんどが空襲で壊滅し、現在あるのは戦後の街であるのに対して、京都には平安時代から続く永い歴史が、現在の大都市の中に生きている
観光化された、俗化された、京都人は閉鎖的で意地悪だなどという京都批判は多いが、やはり京都の魅力は捨て難い
京都には何度も旅しているので主な名所は行き尽くした気分でいたが、この本を読んで京都は奥が深く、まだまだ楽しめそうだと感じた
幸か不幸か、今はコロナで外国人観光客が激減し、どこの名所も空いているという
京都の紅葉の季節は11月中旬から12月上旬と言われているので、何となく落ち着かない
(^_^;)
読書 ブッダから親鸞へ
あるお寺の住職が趣味でマンガを描いていて、彼が亡くなったとき、残された作品を息子がまとめて本にした
趣味といっても、マンガ雑誌に載ったこともあるようで、シロウトの域は脱している
ブッダの十大弟子、妙好人、親鸞の生涯などを扱っている
思想的に深い内容は無いが、素朴な画風にちょっと惹かれる
(^_^;)
読書 金閣寺
金閣寺放火事件を題材にした、三島由紀夫の代表作の一つ
放火犯人は吃音(どもり)に悩む金閣寺の見習僧で、彼の幼いころからの自伝調の内面告白が、三島独特の美文で淡々と語られている
見習僧の「建物フェチ」とも言えそうな、ファナティックな金閣に対する愛が全体の基調を成しているので、犯行動機に感情移入するのが難しい
ジョンレノンの熱烈なファンが、レノンを銃殺した事件を思い出す
彼はやがて浄土真宗の大谷大学に進学し、そこで足の不自由な男と出会い、言葉の不自由な自分との共通性を見出して接近し、親しく付き合うようになる
その親友が語る独特の人生哲学や女性観が面白い
時代背景が第二次大戦の前後で、その時代の空襲の無かった京都の雰囲気が伝わって来る
(^_^;)
▼消失前の金閣寺 金箔が剥げて枯れた風情だった
▼放火による消失直後の金閣寺
▼再建された現在の金閣寺 創建当時の姿に戻した
水郷柳川
4時間以上も歩いて
クタクタです (^_^;)
読書 マンガ古事記
日本の古代史の原点である古事記を読もうと思うのだが、原文はもとより現代語訳でも読みにくいので、まずマンガから
世界からマンガの国と見られている日本では、多くの古典がマンガ化されている
横山光輝「三国志」全60巻などという超大作もある
古事記は江戸時代初めまでは偽書とされていた
本居宣長が慎重な考証によって偽書ではないことを論証し、日本書紀とならぶ古代史の正典となった
その神話編には荒唐無稽な話が多い
戦前は皇国史観から全て真実として教育したが、戦後はその反動で、すべてウソ話として歴史学会でも無視してきた
しかし高度成長期に日本中で道路やビルを建設し、地面を掘ってみたら古代の遺跡が次々に見つかり、それらが古代神話を微妙に反映していることが明らかになった
そんな訳で、今では何らかの史実を、神話の中に仮託していると考えられている
その「何らかの史実」を、推理小説にように探るのが、古代史最大の楽しみです
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読書 壬申の乱の謎
引き続き、反藤原史観の古代史を読む
壬申の乱がテーマなので、天武天皇の出自を細かく追ってゆくことで、天武と出雲系、つまり蘇我氏や尾張氏との関係を明らかにしてゆく
出雲と東国には、深い関係がある
当時は陸上交通が貧弱で、海の道こそが幹線交通だった
山陰地方の出雲は海の道を通じて、北陸地方や越の国(新潟)方面と深くつながっていた
大和朝廷内部でも、出雲系の蘇我氏や尾張氏が東国経営を任されている
壬申の乱の背景には、当時の東アジア情勢における大和政権内の外交政策の対立があった
天智系(九州系):対百済外交を重視
天武系(出雲系):唐や新羅を含む多方面外交
現在の日本における、対中韓重視派(野党、マスコミ)と対米欧重視派(政府、国民)の対立によく似ている
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読書 大化の改新の謎
いわゆる反藤原史観シリーズの1冊
反藤原史観というのは、要するに
1)3世紀に始まる大和朝廷は、日本各地の豪族が平和的に結びついた連合政権だった(大和=大きな平和)
2)7世紀に政権内の争いが激化した
3)藤原系(九州系・天智系)の始祖・藤原鎌足が、中大兄皇子(天智天皇)と組んで、暴力的なクーデター(乙巳の変・大化の改新)で、当時の権力者・蘇我入鹿(聖徳太子)を殺害し、主導権を奪取した
4)藤原鎌足は、朝鮮半島で滅亡した百済王朝の、日本に亡命した王子だった可能性がある
5)二代目・藤原不比等が、正史(日本書紀)を編集し、その中で反藤原系(出雲系・天武系)を抹殺した
6)藤原系は、明治維新まで名門貴族として、日本史の表舞台で活躍した
7)しかし、反藤原系の勢力も消えておらず、日本史の裏舞台で暗躍を続ける
8)藤原系は、聖徳太子や長屋王などの怨霊によるタタリを恐れて、反藤原系をまつる神社仏閣(出雲大社、法隆寺など)を、異常なほど大切に扱っている
9)これらは天皇家の正統性に関わるので、日本の歴史学会も、俄かに認めることが出来ずにいる
というようなことになる
まさに壮大なミステリーであって、興味は尽きない
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▲乙巳の変(大化の改新)のクーデター実行場面
蘇我入鹿(聖徳太子)の首が飛んでいる
▲かつてお札の顔になっていた藤原鎌足
反藤原史観によると、鎌足は聖徳太子を暗殺したテロリストかもしれない
クーデターは成功すれば革命となり、首謀者は権力を握り、英雄になる
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