緑内障は、さまざまな原因で視神経が障害を受け視野が狭くなる病気で、失明に至ることもある。
基本的な事を知らない人は、意外に多いようだ。
名古屋市立大学病院長で同大大学院医学研究科視覚科学教授の小椋祐一郎氏は「恐ろしいのは、自覚症状が出た時にはたいてい手遅れで、視神経の半分以上が死んでいることだ」と警鐘を鳴らす。
緑内障は、わが国の視覚障害の原因の第1位を占める。
日本緑内障学会と岐阜県多治見市が2000年から01年にかけて同市で行った疫学調査によると、40歳以上の緑内障有病率は男女ともに5.0%だった。20人に1人という割合はかなり高いと言える。
世界緑内障連盟と世界緑内障患者連盟が主体となり、08年から啓発のためのイベントである「世界緑内障週間」(18年は3月11~17日)を行っている。
日本緑内障学会はこれに合わせ、国内のランドマークとなる施設を緑にライトアップする「ライトアップ in グリーン運動」を展開、名古屋市では学会と名古屋市立大学病院アイセンター、名古屋ウエストライオンズクラブの共催で、複合施設「オアシス21」などで実施された。
小椋氏はこのイベントについて「残念ながら、緑内障に関する基本的な認識に欠ける人も多い。啓蒙(けいもう)が最大の目的だ」と開催の理由を説明した。
目の病気では白内障と緑内障がよく知られているが、二つの病気は決定的に異なる。
「白内障は手術をすれば視力が元に戻るが、緑内障は手術をしても欠損した視野は戻らない」。
しかも、「緑内障は非常に慢性的に進む病気であるため、自覚症状がなかなか出ないことが問題だ」と指摘する。
「ちょっと目の調子がおかしい、と思って眼科を受診する。しかし、その時には視神経の半分以上が駄目になっている。2~3割の視神経が死んでも、代償機能があるので気付かない」。
さらにやっかいなのは、眼圧が正常範囲にありながら緑内障になる人がいることだ。
多治見市における疫学調査の結果、緑内障の約70%がこの正常眼圧緑内障であることが分かったという。
小椋氏は「それまでは、私たち専門医も『緑内障は眼圧が高い』と考えていたので、この調査のインパクトは大きかった」と振り返る。
完治が期待できない緑内障の対策は、一にも二にも早期発見と早期治療によって病気の進行を止めるしかない。
「眼圧と眼底を対象にした二つの検査で十分だ。これを1年に1回、定期的に受けてほしい。ただ、検査結果が全く正常であれば2年に1回でもよいだろう」と、小椋氏はアドバイスする。
先日検査を受けたら正常でした (^_^;)
21【健康】
ホーキング博士のジョーク
3月14日に死去した理論物理学者スティーヴン・ホーキング博士が過去に遺したブラックジョークが、ネット上で話題となっている。
ホーキング博士は2006年、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の平林久教授のインタビューで、
「地球外の知的生命の存在について、どう思われますか?」
と聞かれた際に、以下のように答えた。
「地球上に知的生命など、存在するんですか?」
平林教授は「地球外の知的生命」についてしか聞いていないのに、すごい返答が来たものだ。
「自分を含めた全てをディスっていくスタイル」
「人類が知的とは、とても思えませんものね」
などと深く納得する声が広がっている。
ちなみにホーキング博士はこのあと、「冗談はさておき…」とフォローしているが、実は本音が漏れたのかもしれない。
ブラックホールの実態を解明した英国紳士のホーキング博士ならではのブラックジョークだった。
糖質制限ダイエット
糖質制限ダイエットは老後にしわ寄せも──。
ご飯やうどんなどの炭水化物を減らした食事を長期間続けると
高齢になってから老化が早く進み、寿命も短くなる
との研究を東北大学大学院がまとめた。
好きなものを 好きなときに 好きなだけ
マイペースで食べるのが 一番かも (^_^;)
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訃報 大杉漣さん 映画「シン・ゴジラ」首相役
俳優の大杉漣(おおすぎ・れん)さんが21日午前3時53分、急性心不全で死去した。
66歳だった。告別式は近親者で行う。
大杉さんは20日、千葉県内でテレビ東京系の連続ドラマ「バイプレイヤーズ」の撮影に参加。
同局によると、同日深夜、宿泊先で腹痛を訴えて病院に運ばれ、共演者やスタッフに見守られ、息を引き取ったという。
徳島県出身。1974年、沈黙劇で知られた劇団「転形劇場」に入団。
93年、オーディションに合格して北野監督の「ソナチネ」に出演。
一躍注目を集め、98年公開の同監督の「HANA―BI」や崔洋一監督の「犬、走る DOG RACE」などが高く評価されて多数の助演男優賞に輝いた。
すごみのある悪役から人間味あふれる父親役まで、多様な役柄を自在に演じ分けた。
2016年の映画「シン・ゴジラ」には首相役で出演した。
60代の訃報に接すると
なんかギクリとします (T_T)
ガンを抑制する免疫系
発ガンは、ガン抑制遺伝子の対立遺伝子の両方が変異や欠損によって機能を失うことで起こるとする「2ヒット仮説」は、1971年にアルフレッド・ジョージ・クヌードソンJrが提唱してから2018年現在まで、発ガンにおける支配的なアイデアとして存在しました。
しかし、新しい研究では、対立遺伝子ではなく、ガンを抑制する免疫系の役割が着目されています。
As we age, cancer rates go up as immune system winds down | Ars Technica
https://arstechnica.com/science/2018/02/as-we-age-cancer-rates-go-up-as-immune-system-winds-down/
Thymic involution and rising disease incidence with age | Proceedings of the National Academy of Sciences
http://www.pnas.org/content/early/2018/01/30/1714478115
細胞の変異は分裂時に起こるため、細胞が分裂すればするほど変異が起こる確率は増えます。
そのため、年齢と共に発がんする確率が上がるのは、細胞が分裂するほど「2ヒット」の変異が起こる機会が増えるためだと考えられてきました。
この2ヒット仮説を立証する主な証拠は、網膜芽細胞腫の症例からきています。
遺伝性の網膜芽細胞腫を持つ子どもは第一に遺伝的なRb遺伝子の異常を保有しており、そこへ何かしらの第二の異常が生ずると発ガンするというわけです。
遺伝的な遺伝子変異を有する子どもの多くは5歳になる前に目の中に腫瘍ができるといわれています。
現在行われているオーダメイド医療は、この2ヒットモデルに焦点を当てたもの。
がんを引き起こすカギとなる変異を識別して狙いを定め、それらを無力化させるという治療を行いますが、治療は成功することもあれば失敗することもあるとのこと。
また、全てのがんにターゲットとすべき明確な遺伝子があるわけではなく、薬に反して腫瘍が成長していくことも多くあるそうです。
一方で、近年、体内のT細胞を腫瘍を攻撃する「キラーT細胞」として教育し、増殖・活性化させることでガン細胞を殺すという形の免疫療法が効果を上げています。
一般的に腫瘍はT細胞を活性化させるたんぱく質を表面に持っていますが、このたんぱく質は人の免疫系を妨げるメカニズムも持ちます。
ガンの免疫療法ではこの妨げを消し、腫瘍と戦うT細胞を解き放つ治療を行っていきます。
最新の研究では免疫系と腫瘍細胞との関係が解析されたところ、このような免疫系の機能は治療のアプローチの基礎として利用できるだけでなく、「なぜ人は年を取るにつれ発ガンしやすくなるのか」ということを説明することが示されました。
T細胞は胸腺で作られるのですが、この胸腺は小児期に最も大きく、年を取るにつれ少しずつ小さくなり、T細胞が作られる数も減少していきます。
数学的モデルが示す内容によると、ガンを引き起こす遺伝子変異が起こる確率は一生を通して大体同じですが、若いうちは数多く存在するT細胞が初期のガン細胞を一掃してくれるために病気になりにくいとのこと。
しかし、年齢と共にT細胞の数が減少し、ガン細胞が増えてくると、免疫系が圧倒され、病気という形になります。
このような免疫系の機能低下は発ガンだけでなく、人が年を取るほどに伝染病にかかりやすくなるという事象についても説明するとのことです。
研究者らは、男性が女性に比べてガンの罹患率が高いのは、女性の方が循環系に入るT細胞が多く、加齢によるT細胞の減少割合が小さいためだと見ています。
また、今回の研究で示された新しいモデルに適合するガン患者の90%は、50代の終わりごろに何らかの急激な変化があるため、50代後半に厳密な検査をすることが推奨されています。
今回の研究は、発ガンが「2ヒット仮説」だけで説明されるものではないということを示したのが重要な点。
遺伝子の変異はもちろん発ガンの仕組みにおいて重要な要素ですが、変異があっても免疫系が対抗することで発ガンは防げるということが示されたわけです。
人工肛門体験
がんと診断されて生活が激変する患者。どう受け入れ何を思ったのか。直腸がんを患い人工肛門のある身体になった漫画家の内田春菊さん(58)に聞いた。
激痩せも便秘も、半年ほど前から始めた糖質制限ダイエットの影響とばかり思っていた。
2015年末、漫画家の内田春菊さんは、ようやく足を運んだ近所の医者にこう言われた。
「一刻を争う。治療すれば助かるから、大丈夫」
がんだと言われたようなものだった。
紹介された病院の予約は1週間後だったが、翌日には産婦人科の主治医が自分の勤める病院で受診できるよう手配してくれた。
そこで内田さんは、肛門(こうもん)からわずか2センチの位置に直腸がんがあることと、人工肛門になる可能性を告げられた。
「がんは、『あっ、意外と早かったな』くらいの印象。周りにがんをやった知り合いはいっぱいいるので、自分もいつかはなると思っていた。でも人工肛門は考えたことがなかったから、ビックリですよ! これから先、暮らしがかなり変わりそうなイメージだったので、『それは大変そうだな』と思いました」
人工肛門とは腹部に開けた穴から腸を引き出して作る排泄(はいせつ)口(ストーマ)。装具をつけて排泄物を受け止める仕組みだが、想像もつかない人がほとんどだろう。内田さんも、「最初はおしりの後ろに何か硬いものが装着されるのかと思っていた(笑)」という。
子どもたちのほうが事実を受け入れるのは早かった。
初めてがんを伝えたときは「死なない?」と聞かれたが、「死ぬようながんじゃないよ」と答えた。
人工肛門を画像検索した次男の感想は「梅干しみたい」。
手術の説明に付き添った長女に「かあちゃんが変わるわけじゃないから」と言われ、内田さんは「私やっぱり本当にがんなんだなぁ」と実感したという。
「手術が終わってみたら、実際そう変わるわけでもなかった(笑)。彼女が予言してくれたからこそ、そう感じられるところもあると思うんですけれど」
術前と術後に抗がん剤を各6回×2クール行った。
予想に反して頭髪は抜けず、「やけくそで金髪にしたら、周りからはかえって元気な人だと思われてしまった」そう。
吐き気や手足の温度変化に悩まされた。冬場は指先がぴりぴりとし、寝るときは必ず靴下を2枚重ね。夏はサンダルをあきらめ、靴下をはいて過ごした。
抗がん剤の容器は、子どもたちから「こう君」と呼ばれた。毎回2日間は身に着けている必要があり、退院時に内田さんが「連れて帰る」と口にしたところ、「新しい家族だね、名前をつけなきゃ」という話になったのだ。
そもそも2度目の抗がん剤は想定外だった。
「状況によっては術後にもう一度やるかもと言われていたけれど、転移もなく、きれいに取れたので、ないと思っていました。でも一度目の抗がん剤がとてもよく効いたので、再発を防ぐためにもう一度やっておいたほうがいいって説得されて」
抗がん剤は効果がはっきりしないケースも多い。再発した知人は全員が「効いたなら、もう一度やっておけ!」と言うので、受け入れることにした。
16年春に手術を受けてから2年近く経過。人工肛門への違和感はもうないかと尋ねると「それが自分の身体になっちゃったからねぇ」。もはや受け入れるしかない。息子のおならに「うらやましい、お尻からおなら……」と、つい言ってしまったこともある。
「お酒と恋愛ですね。どちらもがんの原因になっていたと気づいたのもあります。恋愛に関しては皆さんよく『絶対またあるよ』とか『やめたと言い切るのはよくない』とか言ってくださるんですけれど(苦笑)。
セックスはできるのかなってちょっと興味はあるんです。
私、もう恋愛は嫌だ、出家したいと思ったことがあるんですけれど、宗教に興味がない。なのに出家って失礼な話ですよね。
それと同じで、セックスだけしてみたいというのもよくないかな(笑)」
(ライター・大塚玲子) AERA 2018年2月12日号より
私は内田春菊マンガの大ファンです
内田さんは大物だなぁと思います (^_^;)
有賀さつきアナ 急逝
明るく奔放なキャラクターで「女子アナブーム」の火付け役となった元フジテレビアナウンサーの有賀さつき(ありが・さつき)さんが死去していたことが4日、分かった。52歳。東京都出身。
取材では1月末に他界。詳しい死因などは明らかになっていないが、昨年から闘病していたという。
アイドルアナの先駆者らしく病気を公表せず、最後まで笑顔でテレビに出続けた。
あまりに早い旅立ちだった。有賀さんは4日未明の日本テレビの通販番組「日テレポシュレ」にも昨年収録済みの映像で出演していただけに、衝撃は大きい。
昨年10月、テレビ朝日「あいつ今何してる?」に都立九段高の同級生らと出演した際には、いつもと変わらない明るい表情を見せていたものの、青春時代を懐かしんで涙するシーンも。
親友だった同級生に「アリ、頑張ってね」と言葉をかけられた時、歩んできた人生の思いが交錯したのか、人目をはばからず、大粒の涙を流していた。
本紙の取材では、有賀さんは先月末に亡くなった。
死因や葬儀日程など詳細は明らかになっていないが、元夫でフジテレビ解説委員を務めた和田圭氏(65)には訃報が伝えられている。
有賀さんは都立九段高校時代から、1メートル70の長身と持ち前の美貌で、同級生が「他校から見に来る生徒がいた」と伝説を語るほどのマドンナ的存在だった。
88年にフジテレビ入社。同期の河野景子(53)、八木亜希子(52)両アナウンサー(当時)とともに「花の三人娘」と呼ばれた。
中でも有賀さんはアイドルアナの先駆けとなった。華やかなルックスだけでなく、当時絶好調だったフジが掲げた「楽しくなければテレビじゃない」を体現するチャーミングな言動で絶大な支持を得た。
その象徴となったのが“旧中山道事件”だ。
91年に出演番組「上岡龍太郎にはダマされないぞ!」で、他局の女子アナが「いちにちじゅうやまみち」と読み間違えたことを取り上げた際「この“きゅうちゅうさんどう”ですよね」と自分も間違える想定外の展開にスタジオは大爆笑。
女子アナのタレント化は民放全体に広がっていった。
電撃退社もいまや伝説。92年にわずか4年でフジテレビを去り、フリーに転身。
いきなりテレビ朝日の看板番組「ミュージックステーション」でサブ司会を務めるなど、フリーになった女子アナが芸能界でも活躍できる道を開いた。
私生活でも奔放さを見せた。95年に芸能事務所社長との不倫が発覚。会見で「ご家庭があって申し訳ないという気持ち以上にどうしようもない愛を感じる」と発言し世間の注目を集めた。
その後02年にかつて上司だった和田氏と結婚、同11月には長女をもうけるが06年に離婚。「夫婦だったけど上司だった」「彼とは言語が違った」の率直な言葉でまたも世間の度肝を抜いた。
突然の悲報も衝撃。最後まで人々を驚かせる華やかな人生だった。
有賀さつき(ありが・さつき)1965年(昭40)9月9日、東京生まれ。5歳から8歳まで米ニューヨークで育つ。フェリス女学院1年時の84年に、文化放送「ミスDJリクエストパレード」に出演し、放送業界に関わる。漢検準1級などの資格を持ち、昨年7月のフジテレビ「ネプリーグ」で「喇叭(らっぱ)」という漢字を正確に書いてみせた。
離別男性の死亡率
配偶者の有無で言えば、未婚者も死別者も同様のはずなのに
ソロ社会問題について論じると、どうしても未婚化に話が集中しがちです。
それはもちろん大きな問題ですが、実は忘れてはいけないポイントは「結婚したとしても結局はソロに戻る」という問題です。
たとえ配偶者がいたとしても2人同時に亡くなってしまうことはまれですし、離婚によって独身に戻ることもありえます。
今回は、そうした死別・離別に伴うソロ化の問題について取り上げたいと思います。
既婚者の1割が60代前半までに死別・離別を経験
2015年国勢調査によれば、配偶者との死別・離別によるソロ人口は男女あわせて約1500万人存在します。
そのうち女性が1140万人と圧倒的多数を占めていますが、死別による高齢独身女性が大半です。
20~64歳のいわゆる現役世代に限ると、男女計約487万人(男約169万人、女約318万人)が死別・離別に伴うソロ人口となります。
これは、当該年齢層の未婚者を除く人口の10%に相当します。
つまり、結婚したとしても高齢者になる前に10%はソロに戻っているということになります。
さて、その中で男女とも7割以上の大きな比重を占めるのが45~64歳の年齢層になります。
かつて、茨城県が1位!「ニッポン男余り現象」の正体という記事で、20~50代の未婚者では男性が女性より約300万人多い事実を書きましたが、死別・離別によるソロ人口は逆に女性のほうが多いというのが実情です。
45~64歳の年齢層でも死別・離別者は100万人以上も女性のほうが多く、未婚女性より死別・離別による独身女性のほうが上回ります。
これは、未婚男が割を食う「バツあり男」の再婚事情にも書きましたが、男性のほうが再婚する数が多く、女性は死別・離別でソロに戻ったあともそのまま独身を貫く傾向が高いというのも要因の1つです。
しかし、男性の死別・離別者が女性に比べて極端に少ないのはそれだけではありません。
そもそも一度結婚して、ソロに戻った男性の場合、死亡する率も高いことがわかりました。
45~64歳の年齢層に限定してその内容をご紹介していきます。
2016年厚労省「人口動態調査」によれば、2015~2016年の1年間で再婚した45~64歳の男性の人数は、約2万8000人、女性は約1万8000人ですから、男性のほうがやはり1万人も多く再婚しています。
一方、同じ年齢層でその1年間で死亡した独身男性の数を見ると約3万9000人。
再婚数よりも死亡数のほうが1万人も多い。
さらに、独身女性の死亡者は約1万4000人ですから、男のほうが3倍近く死亡しているということになります。
いったい、彼らの死亡原因とは何でしょうか?
離別男性の糖尿病死亡率は既婚男性の12倍
2016年人口動態調査データの中から、「15歳以上の性・年齢・配偶関係・死因(選択死因分類)別死亡数」より男性45~64歳の年齢層だけを抽出して見てみます。
絶対数で比べると有配偶者がいちばん多くなってしまうので、未婚・死別・離別それぞれの配偶関係において有配偶者とどれくらい違いがあるのかを比較してみます。
有配偶者1000人当たりの死亡率を100として、未婚・死別・離別のそれぞれで病気罹患による死亡率がどれくらい違うのかを比較一覧にしたグラフがこちらです。
驚くことに、ほぼすべての死亡原因について、離別男性の病気罹患による死亡率が高いことがわかります。
特に、糖尿病に至っては、有配偶男性の12倍、肝疾患も9倍近くです。
配偶関係と病気による死亡との因果関係についてはこれだけでは語れません。
離別前に健康を害していた可能性もありますから。
しかし、少なくとも、ほとんどの病死において離別者の死亡率が圧倒的に高いということは何らかの関係性があると見たほうがいいでしょう。
糖尿病や心疾患、脳血管疾患などは生活習慣のうち特に食生活に大きく影響を受けます。
配偶者がいて規則正しく栄養に偏りのない食生活をしていれば予防できた部分かもしれません。
しかし、配偶者の有無で言えば、未婚者も死別者も同様のはずです。
どうして離別者の糖尿病による死亡率だけ突出して高く、未婚者の2倍以上もあるのでしょうか?
グラフは割愛しますが、こうした現象は女性では見られません。
当然、女性も有配偶者に比べて独身のほうが病気死亡率は全般的に高いのですが、それでもせいぜい肝疾患が有配偶者の4倍程度がマックスで、男性ほど極端に離別・死別者の死亡率が高いということはありませんでした。
離別した男性だけが65歳未満にもかかわらずこれだけ多く病気で死亡してしまうわけです。
日本人は根本的に配偶者との別離に弱い傾向があります。2010年に実施された内閣府の国際比較調査(各国60歳以上の高齢者を対象)によれば、「心の支えとなっている人」として、配偶者の割合がほかの国々と比べて日本人男性は目立って高いことがわかります。
アメリカ男性と比べて20ポイント以上、ドイツ男性と比べても10ポイントも高い。
ただし、スウェーデン男性だけは日本人を上回っています。
そして、女性は各国ともに配偶者より子どもが心の支えという人が多いのが特徴です。
また、西欧人と比べて日本人は友人・知人を頼らない(頼れない)傾向も顕著に見られます。
アメリカ男性の39%に対して、3分の1の12%しかいません。
つまり日本人男性の場合、極端に配偶者依存度が高いため、そうした相手と離別・死別してしまうと、その状態のショックから立ち直れない人が多いと考えられます。
なぜ離別のほうが死別よりも死亡率が高く出るのかについては以下のように推測します。
死別の場合は、事故などの突発の事態を除けばある程度事前の覚悟が可能です。
亡くなれば当然喪失感はありますが、添い遂げたという思いもあることでしょう。
しかし、離別というものは相手によって自分が拒絶されるという状態です。
ある意味、自己否定を感じることになります。
先ほどのデータのように、極度に精神的に依存しきっている配偶者から完全なる自己否定を突き付けられると、離別男性は相当の絶望感を感じることになるのではないでしょうか?
そうした状態におけるストレスとは相当なものです。
ストレスは万病の元と言います。
ストレスによって暴飲暴食や過度のアルコール摂取行動が誘引されるリスクもあります。
配偶者以外に頼れる人がいるならまだしも、友人もいないという状態だとなおさら孤独感にさいなまれることでしょう。
アメリカのブリガム・ヤング大のホルト・ランスタッド博士が2010年に発表した対象者30万人に及ぶ膨大なメタ分析(統計的手法を用い、複数の論文のデータを定量的に分析する手法)結果によると、喫煙、飲酒、運動不足、肥満などの因子よりも、「人とのつながりが少ない」ことのほうが死亡リスクを高めると報告されています。
つまり、人とのつながりがない社会的孤立が人の健康を最も害する要因というわけです。
そう考えると、離別男性の異常な死亡率の高さもうなずけるというものです。
ソロで生きる力とは「人とつながる力」
実は、ここにこそ拙著『超ソロ社会 「独身大国・日本」の衝撃』にも書いた「ソロで生きる力」の重要性が隠されています。
「ソロで生きる力」とは、「人とつながる力」です。
他者との接触を断絶し、部屋に引きこもって孤独の状態を耐え忍ぶ力ではありません。
人は一人では生きていけません。
「ソロで生きる力」とは何者にも依存しないということではなく、依存することのできる多くのモノや人に囲まれて、自ら能動的に選択し、自己決定できる状態にあることを指します。
それこそが本当の意味の「精神的自立」なのです。
逆に言えば、1つしか選択肢がないとか、1つの場所にしか居場所がないという「唯一依存」が最も危険なのです。
配偶者だけに依存しきっている男性が、配偶者がいなくなると陥るのはまさにそうした空虚感で、相手の存在が消えるとともに自分自身の存在も消失してしまうのでしょう。
老後のために資金を貯金することには熱心でも、もっと大事な「人とのつながり」を貯金することを忘れてはいないでしょうか。
繰り返しますが、「結婚したとしても誰もがソロに戻る」のです。
配偶者との別離は高齢者になる前から起こりえます。
結婚している男性の方こそ、万一の際に備えて、自身のネットワークを拡充し、配偶者以外の人とのつながりを充実させていってほしいものです。
奥さんに先立たれた男ってホント弱くて、すぐ死んじゃうね
奥さんの前ではすごく威張ってるのに、看護婦さんの前では
借りてきたネコみたいに大人しいジイサン、よくいます
奥さんのバアサンも慣れていて、だだっ子あやすみたいに
ハイハイって相手してるの (;´Д`)
寒さが侵入してくる
ふだんは部屋の中なら
寒さなんか感じないで薄着でいるのですが
ここ数日は外から寒さがやって来るようで
室内でも厚着してます ((((;゚д゚))))
▲つげ義春「外のふくらみ」より
半世紀ぶりの寒さ
▲満開の桜ではありません 新宿駅東口1/22
1月25日(木)朝の関東では、今季最強寒気の影響で強烈な冷え込みとなっています。
東京・府中では観測史上1位となるー8.4℃を記録。
東京はー4.0℃と、1970年以来48年振りのー4℃台。
東京は最低気温がマイナス4度
札幌は最高気温がマイナス4度
寒さのレベルが違いますね ((((;゚д゚))))