廃業危機 新宿TSミュージック

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WS000000永井荷風を 思い出すなぁ~ (^_^;)

 東京・歌舞伎町の老舗ストリップ劇場「新宿TSミュージック」が廃業危機に直面している騒動で、全国から1000人以上の存続を訴える署名が集まった。
ストリップをこよなく愛する映画監督の山本晋也監督(76)も心配顔で同劇場を訪れ、「ストリップの灯をいつまでも残してもらいた い!」と熱い思いを激白した。
「新宿TSミュージック」(以下TS)は、歌舞伎町で約40年の歴史を誇るストリップ劇場の老舗中の老舗だ。
ところが昨年、ビル家主との賃貸トラブルから立ち退き訴訟を起こされ、今年9月に敗訴。TS側は控訴し、今月東京高裁での審理が始まる。
テナント明け渡しとなった場合、劇場の移転は困難で、TSは廃業を余儀なくされる。
WS000001のコピー
各メディアで廃業危機が伝わるや、TSには全国から1000人を超える存続を望む署名が集まり、高裁審理前に裁判所へ提出された。
TS側は改めて、多くのファンに支えられていることに感激したというが、居ても立ってもいられなくなったのは、山本監督も同様だ。
「TSがなくなってしまうかもと聞いて、駆けつけました。最初にストリップを見たのは早稲田中2年の時、新宿だったね。その時の衝撃はなかった。あれからもう何十年、TSとはいろいろ思い出があってね」(山本監督)
山本監督といえば深夜番組「トゥナイト」「トゥナイト2」(テレビ朝日系)の性風俗リポートで日本中の男性をテレビにくぎ付けにさせた。ストリップ特集はダントツ人気を誇り、番組発で劇場に長蛇の列ができ、数々のアイドルストリッパーも誕生した。
「最 初にTSで撮った踊り子さんの映像がすごいキレイでね。これは絶対にトゥナイトでやるべきだと。放送するまで、局を説得するのに3か月以上かかったかな。 TSから生放送したこともあった。ヘアが見えたら大変だとやきもきしながらだったけど、踊り子さんは隠す名人でもあって、絶対に見せなかった。あの時は、 深夜にもかかわらず視聴率は15~16%ぐらいあったね」と山本監督。
ストリップ劇場の数は年々減少し、今では全国で十数店舗を数えるほどで、消滅の危機にある。
「ス トリップは本当に長い歴史があって、永井荷風は毎日劇場に通って、(小説は)ストリップで培われた。浅草のフランス座では、たけちゃん(ビートたけし)も エレベーターボーイをやっていて、井上ひさしさんが文芸部にいた。昔はショーの合間にコントがあってね。そういう意味でも大衆文化なんだよね」
ストリップはただのヌードショーではないというのが山本監督の持論。劇場にはさまざまな人の思いが交錯しているという。
「“ス トリップ=悪い”みたいなイメージがあるけど、見たことがない女性はそう思うかもしれない。だけど女性に実際、見てもらうと、みんな涙を流して感動するん だよ。お客さんもいろんな人がいるよね。ずっと下半身の方ばかりを見ているおじいさんがいて、話を聞いたら『ヘアの形が亡くなった女房に似ている』と言う んだ」と山本監督はシンミリ。
TSを訪問した山本監督は「何歳? 女性は40歳の前が一番キレイなんだ」「小学生の時にトゥナイト見て、踊り子になったの? うれしいなあ」とストリップ談議に花を咲かせた。
最後に山本監督は「久しぶりにTSの楽屋をのぞかせてもらったけど、昔と変わらぬ劇場特有のいいニオイがしたね。女の子たちは礼儀正しくて、あれだけ踊っ ても汗だらけになる子はいない。出番まできちんと水分調整をしているんだよね。劇場は特殊な場所でね。スポットライトが当たると陶酔に浸れる瞬間でもある んだ。ストリッパーは女優ともまた違う。この子たちが踊れる舞台はいつまでもあってほしいね」。
TSの存続を熱く訴えた山本監督。裁判の行方はどうなるのか。

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