映画オタクの祭典

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第25回東京国際映画祭(TIFF)

10月20日(土)~28日(日)

東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズ

 
アジア最大級の映画祭、第25回東京国際映画祭が20日から東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズなどで開催される。
映画祭関係者は2600余りあ るといわれる国際映画祭の頂点に立つカンヌ、ベネチア、ベルリンの世界三大映画祭に並ぶ祭典を目指している。

毎年10月に行われる東京国際映画祭は、国内の映画祭では唯一、国際映画製作者連盟(FIAPF)に公認されており、長編作品のみを対象としている。略称はTIFF(ティフ)だが、この略称の一般への浸透度は大きくない。
しかし、今年はメーン部門のコンペティションに、過去最多となる91の国と地域から1332作品が集まった。最終的な出品作は、矢田部吉彦プログラミン グ・ディレクターら選定メンバーが絞り込んだ15作。映画監督でプロデューサーのロジャー・コーマン氏が国際審査委員長を務め、英プロデューサーのリュッ ク・ローグ氏、「おくりびと」の滝田洋二郎監督、イタリアのエマニエーレ・クリアレーゼ監督、美術監督の部谷(へや)京子氏が審査し、28日に最高賞の東 京サクラグランプリを選ぶ。
9月のラインアップ発表会見で、映画祭トップの依田巽(よだ・たつみ)チェアマン(ギャガ会長兼社長)は、4 年前のコンペ応募数690本(72の国と地域)から作品数がほぼ倍増したことを強調し、「世界の掉尾(とうび)を飾る映画祭に多くの期待が集まっている」 と胸を張った。
第1回は昭和60年に東京・渋谷で開催され、オープニング上映は黒澤明監督の「乱」。5月末の開幕だったが、第2回から秋に。当初は2年に1度で、第4回から毎年開催となった。
第1回の最高賞はヤングシネマ大賞という名称で、相米慎二監督の「台風クラブ」。第2回から東京グランプリ、平成17年の第18回から東京サクラグランプ リに変更された。昨年受賞した仏映画「最強のふたり」は映画祭後、仏語映画として世界歴代1位の観客動員を記録。9月公開の日本でもヒットし、TIFFの 先見の明を証明している。
その一方で、第21回の「トルパン」など、最高賞作品にもかかわらず地味で作家性が強いことなどから配給各社が敬遠し、一部上映を除き劇場公開されないケースも少なくない。
コンペ以外では、話題作を先取りする「特別招待作品」▽東アジアから中東までの秀作を扱う「アジアの風」▽独立系作品を取り上げる「日本映画・ある視点」 ▽他の映画祭での話題作や有名監督の新作「ワールドシネマ」▽環境問題を扱う「ナチュラルTIFF」-の5部門と幅広い。
映画祭にはス ターが優雅に歩く「レッドカーペット」がつきものだが、「地球環境への貢献」を掲げるTIFFではペットボトルのリサイクル素材を使った「グリーンカー ペット」を使用して今年が5年目になる。入場料金はコンペが1千円、当日学生料金は500円と低価格も特徴だ。
国内のほかの映画祭では、11月開催の「東京フィルメックス」が今年で13回目と歴史は浅いが、平成21年の最優秀作品賞受賞作「息もできない」(韓国)など、アジアを中心に良質な作品が集まっている。
地方で活力があるのは、群馬県で3月に開催される「高崎映画祭」。26回目の今年は、地方都市を舞台にした富田克也監督の「サウダーヂ」が最優秀作品に選 ばれるなど話題性もある。北海道夕張市で2月開催の「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」では、入江悠監督の「SRサイタマノラッパー」が第19回 (21年)のオフシアター・コンペティション部門でグランプリを獲得、シリーズ化される契機となった。
ほかにも、ドキュメンタリー作品を対象とした10月開催の「山形国際ドキュメンタリー映画祭」は、粒ぞろいの記録映画をとりあげることで定評がある。
 
 

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