数学を全員に課す

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私立大最難関とされる早稲田大政治経済学部の一般入試で「数学」が必須化されることになり、大学受験関係者に衝撃が走っている。
私大文系学部の定番受験科目「国語」「英語」「地理歴史」などで挑む志願者離れの可能性も指摘される一方、「様子を見た上で追随する大学が出てくるかもしれない」(大手予備校職員)との見方も浮上。
早大の改革は私立文系入試の今後を占う試金石にもなりそうだ。
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 地頭を鍛えるには 数学が一番かも  (^_^;)
 

私立文系の最高峰
「政治や経済の分野で統計学の重要性が高まったことを受け、数学を全員に課す」。
早大の担当者は6月上旬の記者会見で、入試改革の趣旨をこう説明した。
早大によると、現在の大学入試センター試験から大学入学共通テストに切り替わる平成33年1月を機に、政経学部の一般入試で、外国語、国語、数学I・Aを含めた4科目を課し、共通テストの英語で活用される民間試験、学部独自試験の結果も合わせて合否判定する-としている。
必須の外国語と国語に加え、世界史▽日本史▽数学I・A、同II・B-から1つを選ぶ現行方式からの変更となる。
早大政経は、私立文系志望者にとって「最高峰」とされる象徴的な学部だ。「理数系が苦手な生徒が文系に特化して勉強し、突破を目指すケースが少なくない。数学必須化で志望者は根底から戦略を変えなければならず、インパクトは相当大きい」(早大OB)
一方、早大の担当者は「志願動向への影響は読めない」としつつも「現行の選択科目では、実は数学が一番多く選択されている」とし、国立大併願者を含め受験生離れは限定的との見方を示唆した。
人気あるから可能
他学部や他大学への波及の有無も注目される。政経学部と同じく国際教養学部の入試改革でも共通テストが活用されるが、必須は国語だけで数学は選択科目となる。
法学部や商学部などの方針は未定だが、教育情報会社「大学通信」の安田賢治常務取締役は「法学部などで数学が必須とならなければ、受験者はそちらに流れる」と予測。他大学の動向については、「政経学部の人気が今後出るようなら状況を見極めた上で追随する動きがあるかもしれない」と話す。
「思い切った改革」と評価するのは首都圏の難関私大幹部。「数学を全員に課すことは受験の方向性としては良いと思う」と漏らすが、一方で「国立大の併願先として人気のある看板学部だからこそできる改革。志願者動向が気になる他大学は躊躇(ちゅうちょ)するのではないか」とも吐露する。
文科省は改革歓迎
高校現場も視線を注ぐ。「学力育成のため受験で多くの科目を課す国の入試制度改革の方向性にも沿っている。今後の進路指導にも影響が出るのではないか」。前全国高等学校長協会長で都立八王子東高の宮本久也校長はこう話す。
早大政経学部の入試改革は今の高校1年生以降が対象。進路指導経験が長い都立高校教諭は「2年時から文系と理系に振り分ける高校では今後、迷った生徒が理系を選ぶケースが出てくるかもしれない」との見方を口にした。
数学の必須化だけでなく、記述式解答を含む日英両言語の長文読解問題が課されることで難易度が上昇するとの観測もあり、塾業界では「難化する大学一般受験を避け、早稲田の付属中学や高校に子供を入れようとする保護者が増えるのではないか」との見通しも出始めている。
文部科学省内では早大政経学部の入試改革を歓迎する声が多い。人工知能(AI)時代を見据え大学での文理融合教育を目指しているからだ。ある幹部は「多くの大学が(早大政経学部の入試改革に)追随するような仕組み作りを検討したい」と話し、私大受験での数学必須化に期待した。
早稲田大学政治経済学部
 明治15年に創設された東京専門学校(早大の前身)で政治経済学科として設けられ、昭和24年に学部となる。現在は政治、経済、国際政治経済の3学科で構成。平成29年5月時点の学生数は約4200人で、教育学部に次いで2番目に多い。
 

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