▲高速度カメラによる弦の動き
ヴァイオリンの音は、弦と弓(弓毛)がコスレて出ていることは、シロウトの私でも知っていますが、そのとき
弦は弓が当たっていない場所で折れ曲がる
という不思議な動きをしているそうです
100分の1秒単位の動き(メカニズム)なので、人間の目では追えませんが、高速度カメラで明らかになっています(上の図)
弓毛が触れていない場所で、弦がかなりハッキリ曲がっているのが分かります
高速度カメラの無い時代から、一流の演奏者はこのメカニズムを「直感的に把握」しながら演奏しているのでしょうね
さらに19世紀、この動きを予言(理論化)した物理学者(ヘルムホルツ)もいました
下の絵は北斎の富嶽三十六景の中の、有名な「神奈川沖浪裏」ですが、現代の高速度カメラで撮影すると、波しぶきの瞬間的な形がこの絵に酷似しているそうです
高速度カメラの無い時代に、北斎には波しぶきの瞬間的な形が見えたようです
驚くべき動体視力と言うべきか、天才が対象を「直感的に把握」する能力が発揮されているように思われます
哲学者ヘーゲルは「フクロウは夕暮れに飛ぶ」 と言いました
芸術の世界でも、直感に遅れて理論化が為されるようです
(^_^;)
▲葛飾北斎 富嶽三十六景「神奈川沖浪裏」