神道は、仏教やキリスト教などの他宗教とは異なり、お経や聖書のような明確な教義を持ちません
その分、宗教団体にありがちな教義論争(いわゆる「坊主のケンカ」)が起きにくい
それで今まで比較的まとまり良く、平穏に過ぎてきた訳ですが、ここに来て、俗臭と腐敗臭がただよう大スキャンダルが発生
神社界にも「宗教改革」が必要になっているようです (^_^;)
全国8万の神社を包括する宗教法人「神社本庁」(→、東京都渋谷区代々木)が激震している。
香川県の金刀比羅宮「こんぴらさん」が、神社本庁からの離脱を決めた。
背景には、不祥事や疑惑が続出する神社本庁への反発がある。
「明治神宮(東京都)が2004年に
神社本庁を離脱したとき以来の衝撃だ」
と、神社本庁関係者は嘆く。
それもそのはず。
金刀比羅宮は全国各地におよそ600社ある金刀比羅神社(琴平神社、事比羅神社、金比羅神社)の総本宮。
海上安全の守り神として江戸時代にお伊勢参りと並んで「こんぴら参り」が盛んとなるなど、現代にいたるまで多くの信仰を集めている。
そんな讃岐の大神社が神社本庁からの離脱を決めた。
その理由は、神社本庁の不動産売買を巡る神社界上層部と業者の癒着疑惑を始め、神社本庁で相次いで発覚する不祥事への嫌悪感。
さらに、昨年の天皇陛下の即位に伴う大嘗祭当日祭にお供えする臨時の神社本庁幣帛(へいはく)料が、金刀比羅宮に届けられなかったことが決定的なダメ押しになった。
金刀比羅宮は
「決して許されない無礼な行いであり、
天皇陛下に対して不敬極まりない行為である!」
と憤りを隠さない。
金刀比羅宮は6/5付で神社本庁に離脱通知書を送付。
宗教法人法に基づく認証手続きを経て、早ければ今秋にも、離脱が認められる運びだ。
近年、金刀比羅宮と同じく神社本庁への反発から、離脱する大神社が続出している。
昨年、織田信長を主祭神とする京都市の別表神社、建勲神社が離脱。
また、2017年には富岡八幡宮(東京都)において、離脱を決めた女性宮司が、実弟から日本刀で惨殺されるというスキャンダラスな事件も起きた。
殺害された女性宮司は事件の直前、神社本庁の腐敗を訴え、
「田中恆清(→)が総長になったころから、
神社本庁の組織が、急激におかしくなった」
ことなどが離脱の理由と明かしていた。
このほか、全国4万社という神社界の最大勢力、「八幡宮」の総本宮、宇佐神宮(大分県)でも、神社本庁執行部が送り込んだ子飼いの宮司と、地元神社関係者や住民らが対立し、18年には市民団体が宮司退任を求める署名活動を始めた。
さらにここにきて、各地の下部組織である各県神社庁からも、神社本庁への非難の声がにわかに高まっている。
今年3月、熱田神宮を抱く愛知県神社庁が
「神社本庁内における一連の疑惑は、
もはや看過できない!」
という決議書を神社本庁に提出した。
4月には神奈川県神社庁と福島県神社庁が、不動産売買疑惑や神社本庁幹部の不倫疑惑に対し、
「包括下の全国神社の名誉を著しく損ねる!」
とする決議書を出した。
九州地区の6県の神社庁が連名で、神社本庁の新型コロナ危機管理対応を激しく非難する緊急提案書を提出した。
「現在の神社本庁執行部への不信感が強い
熱田神宮や出雲大社(→)が金刀比羅宮に続けば、
神社本庁は、文字通り瓦解しかねない」
と前出の神社本庁関係者。
一方、神社本庁の教化広報部は、金刀比羅宮の離脱理由について
「分からない」
としている。