どんな岩盤でも切り崩して進む
トンネル掘削機シールドマシンですが
「静岡県」という非常に硬い岩盤
には歯が立たないようです (^_^;)
東京の地下およそ80mの地点で、「ドリル新幹線」の組み立てが始まりました。
品川駅の南側にいま、直径およそ30m、深さ約80mという巨大な穴が開いています。
JR東海が進めているリニア中央新幹線の建設拠点のひとつで、その開業後は非常口などになる「北品川非常口」です。
リニア中央新幹線は、起点の品川駅から、橋本駅(神奈川県相模原市)付近に建設される次の神奈川県駅(仮称)まで、全区間が地下深くを行く長さ36.9kmもの「第一首都圏トンネル」になっています。
この「第一首都圏トンネル」を掘削すべく、JR東海は現在、北品川の深く巨大な穴の底でトンネル掘削機「シールドマシン」を組み立て中。
7/21には、マシン先端に装備されるパーツ、無数の刃で岩盤を削っていく「カッターヘッド」が、穴の底へ降ろされました。
この地下深くで組み立てられたシールドマシンが、カッターヘッドをドリルのように回転させ、地中を水平方向に掘っていくことで、第一首都圏トンネルが造られていきます。
なお、分かりやすいよう「ドリルのように」と表現しましたが、カッターヘッドは尖っておらず、直径14mの巨大な円盤状で、約300トンもの重量があります。
巨大なため、穴の底には4分割して降ろされました。
この北品川非常口(北品川工区)で組み立てられているシールドマシンは、36.9kmある第一首都圏トンネルの全区間を掘削するわけではなく、まず北品川非常口から等々力非常口(川崎市中原区)までの8.2km、続いて北品川非常口から品川駅までの1.0kmが掘削担当区間です。
リニア中央新幹線の建設では複数のシールドマシンが稼働し、トンネルを掘削していきます。
なお、この工区の建設は静岡県を通らないので、何の問題もなく、予定通りに進んでいるとのこと。
静岡県知事・川勝平太→
デザインも、このシールドマシンのポイントです。
白色のボディ、青色のカッターヘッド、新幹線車両をイメージしたそうです。
▲新幹線車両がイメージされた北品川工区のシールドマシン
このシールドマシンの掘削速度は、1日で在来線車両1両分の20m、日によっては新幹線車両1両分の25mを考えているとのこと。
月あたりでは、16両編成の東海道新幹線の長さに相当する400mの掘削を計画しているといいます。
なお、この北品川非常口があるのは、初の新幹線である「東海道新幹線」と、初の在来線である「東海道線」、そして「日本の鉄道の父」と呼ばれる井上 勝(1843~1910)が眠る東海寺大山墓地に囲まれた場所。
そこから2021年度初頭、この「ドリル新幹線」が、初の超電導リニア路線「中央新幹線」のトンネルを掘り始める予定です。