無頼派の作家、坂口安吾が昭和20年の終戦の5年くらい前と、終戦の5年くらい後、長崎を2回旅した体験をエッセイにしたもの
戦前の長崎は造船所や軍事工場が多く、軍の警戒エリアなので地図もなく、旅に苦労しています
今はスマホにグーグルマップがあるので、旅が非常に楽になりました
彼は隠れキリシタンについて書こうと思って取材旅行をしていた訳です
その中で、長崎の人が長崎チャンポンを大食いすることに驚いています
彼の言によると、現地の人は誰でも、大皿で3人前くらいのチャンポンを、みんな軽く食べてしまうのだとか
長崎では明治になっても隠れキリシタンへの弾圧が続き、逮捕されて拷問されたりして信仰を捨てること(これを「ころぶ」と呼ぶ)を求められています
そのとき厳しい拷問に耐えた信徒の多くが、食事が足りないからもっと食わせてくれるなら、ということで信仰を捨てた(ころんだ)と、坂口安吾は驚いています
記録によると、このとき逮捕された隠れキリシタンには「1日3合」の飯が給されていたそうで、現代人の感覚では簡単に食べられる量ではありません
長崎人の大食(食欲)には驚くべきものがあるとしています
(^_^;)
▼長崎チャンポン