猫派と犬派の比較はよく海外でも話題になります。
今回は、「猫好きは犬好きより賢い」という発表が、学者による調査結果でなされた、とのニュースです。
ネタ元の記事冒頭の概要では「犬好きは活動的で社交的、そして、ルールに従う傾向がある。
一方猫好きは、内向的で心が広く、繊細で、犬好きに比べてルールに囚われない傾向がある」
そして、”まるで猫派と犬派の対立をあおるように”「猫好きのほうが知性が高い」となっています。
確か、性格の比較だったのに、とってつけたように「Intelligence」って出てきてますから、これはツッコミどころに違いないと解釈する向きも理解できます。
主旨よりもツッコミどころに目が行ってしまうのは、試合本編よりもラッシャー木村のマイクパフォーマンスのほうにばかり目が行く的な現象と言えましょうか。
さてそれはさておき、実際のところどうなのでしょうか。
記事のソースとなったのは、Carroll UniversityのDenise Guastello准教授による、こちらの発表。
600人の学生を対象に、自分は猫好きか、犬好きかを答えてもらい、「猫好き」「犬好き」の性格の違いを調べたものです。
5月中旬に行われた、科学的心理学会での年次会議で報告されました。
Dr. Guastelloの言によれば、「犬好きが外交的・活動的との結果が出るのは、犬の散歩で外に出て、歩いたり、出会う人と話したりしたいタイプだから、と考えると理に適っている。
もしあなたが内向的で繊細であれば、恐らく、(外出する人より)自宅に居る時間が長く、読書量も多いだろう。
猫は、散歩で外に連れ出す必要もない(ので猫好きの性格は、前述の結果が出たのだろう)」とのこと。
livescienceの記事には、どうやらDr. Guastelloへの取材を行ったらしく、もう少し調査の詳細が載っていまして、
600人の学生に対し、自分は「犬好き(Dog lover)」か「猫好き(Cat lover)」かを質問
学生は、性格を評価するために、たくさんの質問に回答した
被験者全体の約60%が「犬好き」と回答。「猫好き」と回答したのは、被験者全体の約11%。
残りの約29%は「どちらも好き」「どちらも好きではない」と回答
飼っているペットの資質で、何がもっとも魅力的かを質問
犬を飼っている学生は、飼い犬との「companionship(交流・交遊)」が最も魅力的だと感じている。一方、猫飼い主の学生は、飼い猫の「affection(愛情)」に魅力を感じている
Dr. Guastelloは、この研究で、それぞれの愛好家が、猫をまたは犬を選ぶ理由が識別できれば、ペットセラピーでの良いマッチング作りに役立つと語る
また、今回の研究では、対象が大学生に限定されたため、他の世代ではどうなのかは不明だが、2010年に行われた(発表された?)研究では、愛犬家がより外交的に、かつ良心的(ルールを守る)な傾向がある、との、同様の所見が見られた
これに対し、examiner.comで数日後に公開された記事では、「内向的・内省的な人は、外向的・活動的な人よりも賢いとの結果が出ちゃうのは、前者が読書家で考えるのに時間を費やすからで、パパッと考えたり活動したりすることを好む後者との違いに過ぎない。さまざまな知性の評価軸のすべてにおいて同じ差があるわけではない」という主旨の指摘もなされています。
猫が好きだからそうなるのか、猫と暮らすとそうなるのか、という点は、この研究だけでは定かではありませんが、今後もこの問題は引き続きウォッチして参る所存です。
個人的な所感としては、猫=インドア、犬=アウトドア、という見慣れた対比に「猫との関わり=ラジオのように『他のことをしながら』が適している」「犬との関わり=テレビのように『首っ引き』が適している」との視点も加えていいのではないかと思っております。
それが、ネットとの親和性が高いと言われる一因なのかなと。
犬好きは猫好きの 5倍以上もいるのか(米国)
日本では 2倍くらいじゃないかな (^_^;)