【2017年度 国内医薬品売上高ランキング】
トップ3は「オプジーボ」「アバスチン」「リリカ」
AnswersNewsでは、製薬各社が決算で公表した製品別売上高などをもとに、17年度の国内売上高が50億円以上の医療用医薬品210品目をランキングしました。
トップとなったのは937億円を売り上げたファイザーの疼痛治療薬「リリカ」。
2位は中外製薬の抗がん剤「アバスチン」で、小野薬品工業の免疫チェックポイント阻害薬「オプジーボ」は17年2月に50%の薬価引き下げを受けながらも3位にランクインしました。
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「オプジーボ」13%減も上位キープ 「タケキャブ」など急上昇
2017年度の国内医療用医薬品売上高トップとなったのは、ファイザーの疼痛治療薬「リリカ」。売上高は937億円(薬価ベース)で、前年度から8.7%伸びました。
2位は931億円(前年度比1.1%増)を売り上げた中外製薬の抗がん剤「アバスチン」。3位は小野薬品工業の免疫チェックポイント阻害薬「オプジーボ」でした。オプジーボは価格の高さに対する批判から17年2月に薬価が半額に引き下げられる異例の措置を受け、前年度から売り上げを13.3%落としました。
ちなみに、IQVIAが発表した17年度の国内医療用医薬品売上高トップ10(薬価ベースで集計)では、トップは1146億円(3.2%増)でアバスチン。2位はオプジーボ(1027億円、13.5%減)で、リリカは4位でした。今回のランキングではリリカがトップになっていますが、集計方法の違いを考慮すると実質的なトップはアバスチンとなるでしょう。
タケキャブ6割増でトップ10入り ミカルディスは半減
売上高上位20品目を見てみると、前年度から売り上げを大きく伸ばしたのは、ARB「アジルバ」(武田薬品工業)や消化性潰瘍薬「タケキャブ」(同)、抗うつ薬「サインバルタ」(日本イーライリリー/塩野義製薬)、眼科用VEGF阻害薬「アイリーア」(参天製薬)など。
アジルバは9.1%増の730億円を売り上げ、16年度の11位から5位にランクアップ。タケキャブは551億円と前年度から6割以上売り上げを伸ばし、順位も前年度32位から10位に急上昇しました。
一方、上位製品で売り上げを大きく落としたのはオプジーボのほか、C型肝炎治療薬「ハーボニー」(ギリアド・サイエンシズ)とARB「ミカルディス」(アステラス製薬)。
ハーボニーは、多くの患者が治療を終えたことで売り上げがピークを越えており、17年度は前年度比71.5%減。前年度トップから19位に順位を下げました。オーソライズド・ジェネリック(AG)を含む後発医薬品が参入したミカルディスも半減し、順位も前年度3位から20位にダウンしました。
ジャディアンスが2.6倍増 AG参入の品目は大幅減少
集計した210品目のうち、前年度からの伸び率が最も大きかったのは239.0%増となった鳥居薬品の抗HIV薬「ゲンボイヤ」。親会社の日本たばこ産業が創製した抗HIVエルビテグラビルを含む4剤配合剤で、16年6月に発売されました。
多発性骨髄腫治療薬「カイプロリス」(小野薬品工業)や、糖尿病治療薬のSGLT-2阻害薬「ジャディアンス」(日本ベーリンガーインゲルハイム)なども3ケタの増加。SGLT-2阻害薬では大正製薬ホールディングス(HD)の「ルセフィ」や田辺三菱製薬の「カナグル」も大きく伸びており、市場は徐々に拡大しています。
逆に売り上げの減少率が大きかったのは、ハーボニーやミカルディスのほか、喘息・アレルギー治療薬「キプレス」(キョーリン製薬HD)やARB「オルメテック」(第一三共)、高脂血症治療薬「クレストール」(塩野義製薬)など。
ミカルディスとキプレス、オルメテック、クレストールはいずれもAGが発売された製品で、後発品への切り替えが急速に進みました。キョーリン製薬HDが販売するキプレスAGの売上高は117億円(42.4%増)まで拡大。ミカルディスとオルメテック、クレストールのAGを扱う第一三共エスファの売上高は17年度、前年から132%伸びました。
[ランキング]売上高50億円以上の210品目を一気に
ここからは、2017年度の国内売上高が50億円以上となった医療用医薬品210品目のランキングを一気に紹介します。
【注意事項】 ランキングは▽国内製薬会社の18年3月期(17年12月期、18年2月期の企業もあり)▽外資系企業の業績発表資料(データ元はIQVIA)▽IQVIAの市場統計――などをもとに作成。これらのデータから編集部が算出した数値も一部含まれます。集計対象は年間売上高が50億円以上の先発医薬品とバイオシミラー、オーソライズド・ジェネリック。それ以外の後発医薬品は除外しています。 外資系企業の多くは国内の製品売上高を公表しておらず、ランキングに反映されていない品目もあります。ランキングに入った外資系企業の製品はすべて薬価ベースで集計されているため、医薬品卸への販売額をベースとする国内企業の数値に比べて売上高が高めに出る傾向にあります。 |