麻生太郎副総理兼財務相が、自民党総裁選(7日告示、20日投開票)に絡み、党首の「顔」「雰囲気」に言及した。
石破茂元幹事長は「暗い」として、選挙を戦ううえで、安倍晋三首相(総裁)の方がふさわしいと主張したのだ。
失言・暴言のように報じたメディアもあるが、党首が体現する雰囲気は、組織の士気やイメージにかかわる。
リーダーの条件として、意外と本質を突いているのではないか。
「(総裁選の)候補者は2人しかいない。どちらの顔で選挙したいか。暗いより、明るい方がいいのではないか」
麻生氏は4日、熊本県益城町の党会合で講演した際、石破氏と安倍首相の表情や雰囲気を念頭に、こう述べた。
安倍首相が2012年以降、衆院選(3回)と参院選(2回)で連勝していることや、国際社会の評価が高い点を挙げ、「代える以上は、前より良くなくてはおかしい。もう1人の顔は、そうなる可能性があるのか。よく顔を見てもらいたい」とも強調した。
麻生氏独特の皮肉を込めた表現であることは間違いないが、そもそも、麻生氏には、石破氏に対する抜きがたい不信感がある。
これまでも、麻生氏は、石破氏が「派閥を解消する」と言いながら石破派を結成した“言行不一致”を批判してきた。
8月に笹川陽平日本財団会長の別荘で、安倍首相や森喜朗、小泉純一郎両元首相と会食した際は、石破氏が1993年の野党転落時に離党したことを念頭に、「苦しいときこそ、人間性が分かる」と語った。
そして、総裁選告示直前に、リーダーとしての「顔」「雰囲気」に踏み込んだわけだ。
プロ野球の監督もそうだが、組織のトップが「陽性」の方が、部下や選手は生き生きとする。
政治評論家の伊藤達美氏は「総裁選は、人材の多様性を前向きにアピールする機会のはずだ。石破氏は、安倍首相に比べて表情が暗く、『個人攻撃をしている』『後ろから鉄砲を撃っている』というマイナスイメージが強い。もっと自分の政策を前面に出すべきだ。党首が暗い表情では、議員も選挙を戦いづらいだろう。その意味で、麻生氏の発言は的を射ている」と話した。
「暗い顔」と言うより
「怖い顔」かも~ (^_^;)