カルロス・ゴーン逮捕

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法律の上に国民情緒があるという、どっかの「放置国家」とは違って、日本は法治国家です。
私情をはさむことなく、客観的事実と罪刑法定主義に基づき、粛々と刑事訴訟の手続きを進めていただきたいと思います (^_^;)
 
東京地検特捜部は11月19日、カルロス・ゴーン容疑者(64)を金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)の疑いで逮捕した。
刑事訴追された場合、経営責任を問われるのは必至。
カルロス・ゴーンは、仏ルノー・日産自動車・三菱自動車の会長を兼務しており、自身の役員報酬を過少に申告した疑いを持たれている。
日産は同日、「複数の重大な不正行為」が認められたとし、会長職からの解任を取締役会で提案すると発表した。
販売台数で世界2位を誇るルノー・日産・三菱自連合にとって大打撃となりそうだ。
東京地検特捜部は11月19日、関係先として横浜市の日産本社などを家宅捜索した。
関係者によると、カルロス・ゴーンは自宅の購入代金などを同社側に全額負担させる一方、報酬として計上していない疑いがあるとして地検特捜部に日産の関係者が相談していた。
カルロス・ゴーンの犯罪行為により、日産が不正に負担させられた金額は数十億円に上るとみられる。
こうした犯罪行為には、日産の代表取締役のグレッグ・ケリーも関与していたという。
3社の有価証券報告書などによると、カルロス・ゴーンは2017年度、日産から7億3500万円、三菱自から2億2700万円、ルノーから740万ユーロ(約9億5千万円)の役員報酬を受けている。
日産は19日、内部通報を受け、数カ月間にわたって内部調査を進めていたことを明らかにした。
開示されるカルロス・ゴーンの報酬額を少なくするため、長年にわたり、実際の報酬額よりも少ない金額を有価証券報告書に記載していたことが判明したという。
カルロス・ゴーンについては、日産の資金を私的に支出するなどの、複数の重大な犯罪行為が認められ、グレッグ・ケリーがそれらに深く関与していることも分かったとしている。
日産は「これまで検察当局に情報を提供するとともに、当局の捜査に全面的に協力してまいりましたし、引き続き今後も協力してまいる所存です。株主の皆様をはじめとする関係者に多大なご迷惑とご心配をおかけしますことを、深くおわび申し上げます」などとするコメントを発表した。
カルロス・ゴーン
1954年にブラジルで生まれ、78年にミシュランに入社した。85年にブラジルミシュラン社長に就いた後、89年には北米ミシュラン社長に就任。96年にルノーに入社し、副社長に就いた。
99年、販売不振などで経営危機に陥っていた日産の筆頭株主になったルノーから日産に派遣された。同年10月、3年間で1兆円のコスト削減などを柱とする日産リバイバルプランを公表し、その後、日産の業績はV字回復。2000年に日産の社長に就いた。01年に最高経営責任者(CEO)となった。17年にCEOは退任した。
16年には、三菱自の燃費不正問題をきっかけに日産が三菱自に出資し、カルロス・ゴーンは三菱自の会長に就いた。
ルノー(Renault S.A.)
フランスのパリに本社を置く自動車製造会社。
グループの日産自動車やダチア、ルノーサムスン自動車などを含めると、世界最大クラスの自動車会社である。
従業員数300,217人(傘下のルノーサムスン自動車、ダチア、日産自動車を含む)
生産台数852万台- 2015年度世界第4位(子会社のルノーサムスン自動車、ダチア、日産、インフィニティブランドを含む。日産・インフィニティを除くと280万1592台。世界第13位)
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▲ルノー ルーテシア

 

 
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▲フランス大統領マクロン(左)と日産自動車会長のカルロス・ゴーン
11月8日フランス北部モブージュのルノー工場を訪れた

 

ルノー株が急落

日産自動車会長のカルロス・ゴーンが、金融商品取引法違反の疑いで逮捕されたことを受け、19日の欧州株式市場ではゴーン容疑者が会長兼最高経営責任者(CEO)を務める仏自動車大手ルノーの株価が急落。
前日の終値に比べ一時15%超値下がりした。
ルノー広報は19日、地元テレビで「まだ情報を確認中だ」と述べた。
カルロス・ゴーンは今月8日、仏北部のルノーの工場でマクロン大統領の視察に同行したばかりだった。
ルノー株の15%を有する筆頭株主のフランス政府は11月19日正午(日本時間午後8時)の時点で、まだ事件にコメントしていない。

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実業家の堀江貴文氏(46)が19日夜、ツイッターを更新。金融商品取引法違反の疑いで東京地検特捜部が同日、逮捕した日産自動車元会長のカルロス・ゴーン容疑者(64)についてツイートした。

堀江氏は今回の逮捕について「んー、別件逮捕っぽいなあ。。ゴーン氏以外に逮捕されそうな報道も無いんでより個人的な何かでかいと思われる犯罪を犯してる疑いがあるってことか」とツイート。

続いて「しかし、特捜部はスタンドプレーが好きだよな。巨悪をプロデュースするためにセンセーショナルにやってくる。もっとマイルドにやれば市場や会社にダメージないのにね。」との意見をツイートした。

堀江氏自身も2006年1月、自身が社長を務めていたライブドア社の粉飾決算事件で、証券取引法違反の罪で逮捕され、懲役2年6月の実刑判決を受けている。

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 カルロス・ゴーンの犯行が事実なら
  実刑になる可能性が大ですね  ((((;゚д゚))))
 


 

アメリカでの報道

日産三菱・ルノーのカルロス・ゴーン会長の逮捕劇については、アメリカでは19日月曜の週明けに飛び込んできたニュースですが、それほど大きな扱いにはなっていません。
地上波に当たる三大ネットワークやケーブルテレビでは、ほとんど報じられておらず、CNBCなど経済専門局が第一報と簡単な論評を伝えているだけです。
現時点では、アメリカでの見方は2種類に分かれます。
1つは、企業経営者の強大な権力が起こした腐敗という見方です。つまり、日本の検察当局の捜査を受けて、その「犯罪」の原因を推測したり、類似の事件について論じたりといったものです。
例えば、19日午前中のCNBCには、アメリカの「ビッグ・スリー」つまりGM、フォード、クライスラーの3社で副社長を務めたことのあるボブ・ルッツ氏が登場していました。業界の生き証人とでもいうべきルッツ氏は、「カルロス・ゴーンは、恐ろしいほど優秀な頭脳の持ち主で、自動車業界の隅から隅までを知り抜いた男」だとしながらも、「それでもCEOの権力に溺れて転落したのだろう」と批判していました。
また、この日の「LAタイムス(電子版)」が掲載したマイケル・ヒルツィク氏のコラムでは、やはり経営者の暴走を批判する文脈で、この事件を扱っていました。ピュリッツアー賞を受賞したジャーナリストであるヒルツィク氏は、近年の企業経営者には強大な権力が与えられ過ぎているとして、例えばフェイスブックのマーク・ザッカバーグ会長の場合は、上場企業でありながら、個人で過半数の議決権を保有しているために、暴走に歯止めがかけられないと指摘、ゴーン氏の事例も同様だとしていました。
ヒルツィク氏は、今回の容疑が事実であればという仮定の上で、2002年に発生した「タイコ社のスキャンダル」との比較をしていました。この「タイコ社の事件」というのは、私の住んでいる町内に同社の本社があることもあり、記憶に生々しい事件ですので、ご紹介しますと、デニス・コズロウスキーというCEOが強大な権力を手中にして暴走したという点で、確かに似ています。
タイコという会社は、そもそもは投資会社であったのが、70年代にスプリンクラーなど防火システムの企業を買収して製造業に転じた後は、様々な企業を買収して企業規模を拡大していった会社です。コズロウスキーという人物は、たたき上げの経営者として90年代にトップに上りつめると、さらに多くの企業を買収してはタイコに合併させて企業を拡大したのです。
ところが、2002年に「役員報酬以外のヤミ給与」や「巨額な私的流用」が明るみに出て大騒動になりました。特に、マンハッタンにあった自宅のアパートメントに「6000ドル(68万円)」相当の「シャワーカーテン」を社費で付けさせた事件は、当時大きくメディアで取り上げられたのを記憶しています。
その時のコズロウスキーの弁明は「私は引退したかった。でも、会社が私に去られては困ると言うんだ。で、私を引き止めるためには何でもすると言う。でも、上場企業だから規定の報酬しか払えない、そこでコズラウスキーの引き止めという企業の利益のためには、仕方ないので報酬外の処遇をするので受けてください、そう頭を下げてきたので、私としては断れなかった」というものでした。
こうした点に関しては、仮に容疑が事実であるのなら、ヒルツィク氏の言うように、ゴーン会長の事件は、このコズラウスキーの事件に類似していると言えそうです。ちなみに、コズラウスキーは裁判の結果、禁固刑に処せられて2005年から14年まで服役しています。
一方で、捜査の全体に疑問を投げかけるコメントもありました。NBCの記者で、長年デトロイトをベースに、米国自動車産業の栄枯盛衰を目撃してきたフィル・ボー記者は、CNBCテレビで非常に困惑した表情を浮かべ、「ルノー、日産、三菱の三社連合のトップを務めるゴーン氏に対して、日本の日産が告発しただけで日本の検察庁が逮捕するというのは異様です。経営に問題があるのなら、国際的な第三者委員会などの調査が必要です。そうした第三者的な調査もなしに、いきなり逮捕というのは理解できません」と述べていました。
確かに、アメリカ的な価値観では、親子関係のある企業グループは連結して一つの企業体として見るべきであり、グループの一つに過ぎない日産が内部告発しただけで、グローバル企業のトップが逮捕されるとか、解任されるというのは企業のガバナンスとして不自然に見えるのは事実です。
このように、アメリカには「経営者の腐敗」という観点で厳しく見つめる視線と同時に、グループ企業の総帥に対して、グループを構成する一企業が独断でローカルな国の捜査当局に捜査協力している状況への違和感もあるわけです。
アメリカの場合、北米日産という巨大な企業体が、製造拠点としてもまた販売サービス拠点としても多くの雇用を創出しています。その雇用が揺らぐような場合、また株主が不利益を被ったと感じて訴訟を始めた場合は、日本、フランスとは別の利害当事者として、今回の事件に関わってくる可能性も十分にあると考えられます。
 


 
epa06335053 Hiroto Saikawa, Chief Executive Officer of Nissan Motor Co., Ltd., speaks during a news conference at its global headquarters in Yokohama, Kanagawa Prefecture, south of Tokyo, Japan, 17 November 2017. Nissan submitted a detailed report to the Japanese Ministry of Land, Infrastructure, Transport, and Tourism regarding nonconforming final vehicle inspections at its plants in Japan and countermeasures to prevent recurrence, Nissan said on 17 November. EPA/KIMIMASA MAYAMA

▲日産の西川広人社長

「クーデター」だったのか?

日産自動車会長、カルロス・ゴーン(64)と同社代表取締役のグレッグ・ケリー(62)の両容疑者が東京地検特捜部に逮捕されたことを受け、西川(さいかわ)広人社長は11月19日夜、横山市内の本社で記者会見した。
絶大な権力を持ったカリスマ経営者に対する社内の「クーデター」だったのか。そんな憶測について、西川社長は明確に否定した。記者との主なやり取りは次の通り。
――不正を働いたのは今回逮捕された2人だけか。ほかの役員は社長のように怒っているのか、裏切られた思いなのか。

この2人が我々の調査の結果、首謀であると確認しているが、それ以上は今のところ捜査の関係があるので控えさせていただきたい。

役員の反応ですが、実は役員がこの件を知ったのはつい先ほど。事案の中身から非常に秘匿をしておりました。彼らも今、それを聞いて一体何があったんだという感覚だろうと思う。
そんな中、先ほど状況をシェアして申し合わせたのは、とにかく従業員、取引先の皆さんが心配していると。大きな不安を抱えていると思われるので、そこの業務を不安定にしないように全力を尽くしましょうと。
あとやっぱり、従業員の皆さんが非常に不安に思っているので、役員が先頭に立って日常的な業務運営に影響が出ないようにしっかりとリードすると。それともちろん、捜査には全面協力していくと。それを申し合わせた。
――私的流用について指摘しているが、特別背任ではなく、金融商品取引法での容疑になっている。これについての受け止めを。
捜査に関することですので、そこについて私が見解を申し上げることではないと思っていますが、社内での調査の情報は(東京地検に)報告していますし、捜査の方も並行して進めていただいている。
その中で、捜査の対象、刑事罰の対象についての部分はなかなか、私には判断できません。ただし、先ほど申し上げたとおり、大きく3つの(不正行為の)事案があるわけですが、どれをとっても、全部合わせても、会社としてみた場合は、取締役の義務に反するどころではなく、当然解任に値すると理解している。
この部分については詳細な調査の結果、専門家、つまり弁護士に見ていただいて、これは解任に値するというご意見も頂いている。この3つの点で解任の提案をしようと思っている。
刑事事件の対象になるかどうかは判断できませんが、会社としてみた場合、虚偽であったり、支出の目的であったり、会社としては容認できないことであるとご理解いただきたい。
――解任を提案することを決めたのはいつか。
事案を見て、実際にその方向で弁護士からアドバイスを頂いたのは、社内調査がまとまった段階。いつかとは申し上げにくい。
――不正がいつごろから行われていたと考えているのか。検察当局は(平成)23年以降としているが、これは時効にならない部分と思われる。それ以前からか。
申し訳ないです。今は内容を申し上げるタイミングではないと思います。いずれオープンにしたいと思います。
――長期にわたって行われていたとの認識か。
長きにわたってということだと思います。
――ゴーンさんは日本で納税したのでしょうか。しているのであれば、源泉徴収額から会社としても報酬額は把握していたのではないか。
ちょっとこれ私、お答えできないんですが、そこは事実を確認したいと思います。当然、日本で納税していたと思います。もし違っていたらあとで訂正させてください。
――会社として告発する意思はないのか。会社の利益がこれだけ失われて、株主に代わって訴えなければいけないのではないか。
おっしゃる点よくわかります。今日お答えすることはできませんが、それに値する事案であることは認識しております。どうするかはこれから判断する。
――報道によると、過少申告額が50億円。これだけの金額、日産の帳簿上はどういうからくりで消えていたのか。
内容的にはもちろん、確認している部分はありますし、検察とシェアをしておりますけど、今の段階ではお答えを控えさせてください。
――長期政権の弊害が先ほどから指摘されているが、どのような形でゴーンさんに権力が集中していって、そして今回のようなクーデターのような形に至ったのか。ケリーさんの役割についてはどう考えているのか。
権力の集中と結果的にクーデターのような形で崩壊するとおっしゃられましたけど、今回の件は事実としてみた場合、内部通報の結果、不正が見つかった。
そこを除去することがポイントで、権力が1人に集中し、それに対してそうではない勢力からクーデターがあったというような理解はしていないし、そのような説明をしたつもりはない。そうは受け止めないほうがいいんじゃないかと思います。
1人に権力が集中していてもこういうことが起きるとは限りません。権力を持っていても、公正にやっておられる方はたくさんおられる。それが原因だとは言えないと思う。
ただ、ガバナンスの面から見るとそれが一つの誘引だったというのは間違いない。従って、個々の部分についてはどういう形がより公正なガバナンスというのを持っていくのかというのは大きな課題だと思っています。
どういう形で権力が集中してきたのかと、私も同じようなことを考えていましたけど、やはりこの長い間、徐々に形成されてきたとしか言いようがない。
一つはルノーと日産のCEOを兼務していたのが長く、これは無理があった。ただそこは、私自身総括できていないので、軽々なことは言えない。
ケリーという人間は長い間、ゴーン側近として様々な仕事をしてきた。CEOオフィスということになるのでゴーン氏の権力を背景に相当な権力を持って社内をコントロールしてきたと言えると思う。
言葉が適切かどうかはわかりませんが、これが実感であり、実態ですね。
――今回の件、秘匿性が高いとおっしゃったが、内部告発から今日まで、この件を把握していたのは西川社長のほかどなたがいたのでしょうか。
多くを申し上げることはできませんが、数名の単位と思っていただければ。
――ゴーンさんはカリスマだったのか。暴君だったのか。有価証券報告書に虚偽記載があったということは粉飾決算に当たらないのか。
2点目からお答えしますと、粉飾と言うよりは、本来記載すべきことがされていなかったので、会社の発行物である有価証券報告書が適正でなかったということなので、是正をする。瑕疵(かし)を認めなければいけない。
もう一つの点、正直言って、私も今に至るまで当面の対応に追われていますので、じっくり考えることをもう少ししたいと思うが、事実としてはなかなかほかの人間にできなかったことが、特に初期については非常に大きな改革を実施したという実績は紛れもない事実。
その後についてはやはり、功罪両方あるかなと私としては実感でございます。いろいろ積み上げてきたことが全部否定することはできない。
ゴーン氏としてトリガーを引いたことでも、実際に仕事をしてきたのは従業員であり、あるいはパートナー、取引先の皆さんとの協業であり、仕事であるわけです。その部分の価値は棄損するものではないと思う。
最近の状況はやや、権力の座に長く座っていたことに対する、ガバナンス面だけでなく、実際の業務の面でも弊害は見えたなという実感。
もちろん、私も意見を申し上げることはありましたけど、こういう事態に至った以降は、問題点については従業員からも目に見える形で手を打っていきたいと思うようになった。
――権力の座に長く座っていたことで、実務ではどんな弊害があったのか。
現場から離れているので、彼に対して日頃からレポートする人が限られてきて、もう少し確認すべきなのに、限られた情報をインプットし、間違った判断をしてしまうと。もちろん、誰でもあることだが、でも昨今は多く見られたという実感。
――グレッグ・ケリー氏、具体的に社内でどのような影響力を与えていたのか。ゴーン氏は日産の顔だったわけだが、どのような影響があるか。3社アライアンスは今後どうなるか。
ケリー氏については、彼は元々日産出身で、執行役員で、その後アライアンスの仕事を兼ねていた。専務執行という立場。
私が影響力があると申し上げたのは、CEOオフィスの時代からアライアンスの仕事をやっていた時代まで。非常に幅広い仕事をしていて、アライアンスの面でも日産のCEOオフィスの仕事でもゴーンの側近として働いてきたと。そういう意味で影響力は大きい。
ただ、近年は会長に対するサポート、アドバイス機能以上のものは持っておらず、影響力という面では落ちてきた。
日産ブランドについてはお客様が決めることだと思う。私としては日産は日産であるということで、もちろん、イメージとしてゴーンと日産を重ねる人も多いと思うが、私たちができることは日産ブランドをそのものとして皆さんにご愛顧いただくということ。
3社のアライアンスについてだが、パートナーシップそのものについて影響する事案ではない。この状態で取締役会同士、より緊密に話し合いをし、取締役会として十分議論して決めていく。
――ゴーンさんの高額な報酬は正当だったのか。権力に過度な集中については、大変革を成し遂げたゆえに、経営陣が許してしまったということはないか。
報酬については私がコメントするのは適当ではないが、日本全体、いろんな議論があるが、総論としてみると、日本人だから低い、日本の企業だから低い、欧米だから高いという考えは、本来の価値とパフォーマンスに応じて徐々に是正されるべきと個人は思っている。
ただ、絶対額として何が正しいのかというのは第3者を含めて決めていくべきだとも思う。
権力の集中については、振り返ってみると、今おっしゃったようなことは、猛省すべきだと。反省すべきところはあるとみている。
それだけが原因ではないが、そういうことが起きないように絶えずすべきだと。この19年間で十分できていたのかと、反省すべきことは多いと思っている。
――特捜部との司法取引はしているのか。社長もゴーンさんをコントロールする役割もあった。ご自身の責任をどう考えているのか。頭を下げての謝罪がなかったが。
最初の質問はまったくコメントできない立場。今日、ここでまずお話したかったのは、皆さんの背景には日産のファンもおられれば、これまでサポートいただいた皆さんがいる。そういう方には本当におわびしたいと思っている。
今私がこれをどう感じているかとストレートに言いたかったと。私の責任については、今は猛省すべきこともあり、事態を鎮静化させて安定させることもある。
会社を一日も早く正常化させるため、やることが山積している。まずはそこを進める。それが私の仕事だと思っている。それをやった上で、その先を考える時が来ると思う。
――内部調査でゴーン氏からは話を聞いたのか。ゴーン氏がケリー氏に指示をしていたのか。
2つ目の点。私からは申し上げにくい。つかんでいる事実はあるが、最終判断は捜査当局がする。ただし、その2人が首謀であることは間違いない。
1つ目についても答えない方がいいと思う。私もプロではないので、どこを話していいのか。内部調査の詳細についてはそれもシェアして捜査が進んでいるので控えたい。
本人の弁明は聞いていない。
――後任の人事はどうなる。どうして不正を見抜けなかったか。
どうして見抜けなかったのか、ある部分、会社の中の仕組みが形骸化していたというか、透明性が低い。
ガバナンスの問題が大きかった。ガバナンスについて言うと、(権力が)集中していても、なかなか検知できない弱点があった。何か起きたときの歯止めが弱かったんだろうと思う。
――社内で(不正を)知っている人がいたがなかなか言えなかった、そんな状況か。
私の認識ではそれが原因ではなくて、なかなか3つの本件が表面化しなかったと。仕事をする時にぶつ切りですれば、それぞれが見えませんから。
――内部調査の結果の発表のスケジュールは。
すべて取締役会にはかって進める。今私が言うのは時期尚早だと思う。ガバナンスはどうしたらいいのか、第三者も入れてあまり時間をとらずに、まずどうするんだと提言いただいて、取締役の構成など総会の決議が必要な事項などを整理したい。
――ゴーンさんからの弁明は聞いていないということか。
私は直接は聞いておりません。
――動機などもわかっていない状況でしょうか。
わかっている部分もあるが、ここはちょっと控えさせてください。調査は十分にできていると思っています。
――ゴーンさんに権限が集中するのを食い止めることはできなかったのか。
もう少し私も考えてみたい。結果として今、振り返ってみると、第三者の方から権限が集中しすぎていると言われればそのとおりですね、と言わざるを得ない。
これは難しいんですね。人も入れ替わりながら徐々にそういう形ができたというふうにも見える。
私がどういう立ち位置で何ができたのか、もう一度反省しないといけないと思う。
振り返ってみれば2005年、ルノーと日産のCEOを両方兼務するということになったが、このとき、ごく当たり前に日産を率いてくれたゴーン氏だから、日産にとっていいことじゃないかと思ったが、その結果、将来どういうことが起きるかということはあまり議論しなかった。
この段階が1つの今に至っている契機、転機だと思う。だが、残念ながらその段階でその後、どういうことが起きるかということは残念ながら我々もわかっていなかった。実際面で権力が集中していった。今振り返ってみると、そういうことが言える。
 


 

カルロス・ゴーンの高額報酬

カルロス・ゴーンが有価証券報告書に自らの役員報酬を50億円も過少記載したという容疑ですが、5年間で50億円(年間10億)でも異常な額だと思っていましたが、その倍額ということですか。
高額報酬は世界の流れだとか常識みたいなことも言われていますが、10億だって高すぎです。
 昨晩、全部ではないですが、日産社長の会見をみていましたが、功績について日本人ではできないことをやったという趣旨の発言がありました。
「日本人」と表現はしていませんが、趣旨としてはそういうことなんだろうと思います。
「(日産が倒産寸前に追い込まれた中で)ほかの人間ができなかったこと、特に初期、非常に大きな改革を行った実績は紛れもない事実だと思う。その後については『功罪両方ある』というのが実感だ。今まで積み上げてきたことを全部否定することはできないが、最近の状況をみると権力の座に長く座っている(ことで)、ガバナンスだけでなく業務の面でも弊害が見えた」
 これが何を指すのかは自明のことで大量の首切りです。普通であれば、企業として何とか経営努力により労働者へのしわ寄せを回避することが普通でした。それを何のためらいもなく、心も痛むことなく、大量解雇ができたのもゴーン氏だからです。

それがV字回復なのですが、これを功績とみるのかどうか。少なくとも当時の経営陣からみれば安堵したことでしょう。問題は一時的な助っ人として招いたはずのゴーン氏がその後も居座ってしまったことです。
これだけの高額報酬を恥ずかしげもなく、ぶんどれるのもゴーン氏です。

 ようやく日産内部での不満が内部調査と捜査協力という形で顕在化したということですが、いつまでも一強がのさばり続けるということの弊害を見事なまでにみせつけてくれました。
他方でこうした人間を排除することは、黙認してきた勢力(ことなかれの従来の日本人経営陣)と刷新を求める経営陣が協力すれば普通にできたことなのかもしれませんが、現実には独裁者がなかなか倒れない構図は出る杭は打たれるで、排除(粛正)されてしまうのですから難しく、結局、司直の手を借りるということになったのでしょう。それがなければ内部浄化もできなかったということになります。

 

日産関係者の思い

「日産ブランドに傷」「それでも応援する」。
日産自動車会長のカルロス・ゴーン容疑者逮捕から一夜明けた20日、同社の工場で働く工員や、日産ユーザーらは複雑な思いを口にした。
日産横浜工場(横浜市神奈川区)で期間工として働く男性(49)は「日産ブランドに傷が付いた。厳しくたたかれるだろう。今後、自分の仕事がなくなるかもしれない」と不安をのぞかせた。
別の期間工の男性(50)はゴーン容疑者は雲の上の存在で、逮捕されても実感がないとした上で、「多額の報酬をもらっていたのに、なぜそんなことをしたのか」と首をかしげる。この日の朝礼では、現場の管理職から「騒ぎになっているかもしれないが、いつも通りの仕事を続けるように」との内容の指示があったという。
夜勤明けの社員の男性(43)は「許せないという気持ちはある。社員に対して謝罪の一言があってしかるべきだ」と憤然と話した。
一方、この日も本社(横浜市西区)のショールーム「日産ギャラリー」には、ユーザーらの姿が。子どもの頃から日産ファンだという女性(51)はカタログを手に車の購入を検討中で、ゴーン容疑者が逮捕されても「(日産を)応援したい」と語った。
同社の株主という男性(79)は「今まで好き勝手やってきたんだろう。会社は腹を据えて対応してほしい」と憤った様子。日産の取引先企業で働く30代の男性は「逮捕は残念だが、ユーザーがすぐに離れるとは思っていない。粛々と仕事をしたい」と静かに語った。

焼き鳥ゴーンへ

 

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