喫茶店「ほんやら洞」 全焼

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wst1501160017-p1 1月16日午前4時50分ごろ、京都市上京区大原口町のギャラリー兼喫茶店「ほんやら洞」から出火しているのを通行人の男性が発見し119番した。
京都府警上京署などによると、木造2階建ての店舗延べ約120平方メートルが全焼。
東側の店舗の一部にも燃え広がったが、約2時間後に消し止められた。
けが 人はないとみられる。
同署が、出火原因を調べている。
ホームページなどによると、ほんやら洞は、昭和40年代に、シンガーソングライターの岡林信康さんら文化人やミュージシャンによって開業。
2階に文化活動スペースを備え、学生の文化発信の拠点となるなど、名物喫茶店として知られていた。
現場は、京都御苑の北東約20メートルの京町家などが立ち並ぶ古い街並みが残る一角で、同志社大学今出川キャンパスなどの近く。
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ほんやら洞(ほんやらどう)は、小正月の頃に新潟県の魚沼地方で行われる伝統行事、またはそのなかでつくられる雪洞(かまくら)のこと。
古くは、雪で「かまくら」をつくり、水神様を祀って、鳥追いの歌を歌うなど、秋田県の「かまくら」と同様の豊作祈願の伝統行事だった。WS000001
鳥追いの歌のなかにも「ほんやら」というかけ声があり、これが語源とされる。
しかし、地域によっては、観光化がすすんで、主に、無数の雪洞のなかに蝋燭などがともる幻想的な風景を目玉にした行事となっている。
一方、鳥追いの行事を行う、新潟県魚沼市では、雪洞のことを「ほんやら洞」ではなく、「鳥追い洞」という。
雪が足りない年は、雪ではなくテントで代用することもある。
雪洞は、主に、各地の雪祭りなどの行事のなかで多くつくられる。
雪洞のなかから漏れる光が織りなす風景をメインとする行事としては、5千もの「ほんやら洞」がつくられることもあるという小千谷市の「山谷坪野ほんやら洞まつり」、南魚沼市の「六日町温泉ほんやら洞まつり」(南魚沼市雪まつりの中の行事)が有名である。
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つげ義春が1968年6月に「ガロ」に発表した短編漫画作品『ほんやら洞のべんさん』は、冬の小千谷を舞台にしている。
つげ自身は「主人公の寂しい気持ちをオーバーにならないように描きたかった」と述懐する。
作中のべんさんの言葉「なぜ旅にきたのかね、なんとなくじゃわからん、お前さまは寂しいんじゃないかね」が印象的だ。
べんさんの複雑な家庭環境、鬱屈した感情と主人公の気持ちがうまくかみ合っており、起承転結も見事である。
権藤晋は完成度の高さでつげの最高傑作に上げているが、つげ自身はまとまり過ぎが欠点であると考えている
この漫画をもとに「ほんやら洞」と名付けられた喫茶店が京都にある。
 

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