イギリスでは国民投票でEU離脱派が勝利しましたが、このニュースを受けて、ネット上では
「町田市も東京から離脱か残留かを住民投票で決めればいいの に」
「東京を離脱すれば、神奈川県に編入できる。そうすれば地図がスッキリする」
といったツイートが話題になっているんです。
なぜ「町田市が東京を離脱」と言われているのでしょうか。
東京都町田市は人口約42万人、東京都の南西側に位置し、東京のベッドタウンとして商業施設も集まった大きな町です。
地図をよく見ると、町田市は神奈川県側に大きくはみ出しています。このことから「町田市は神奈川県なんじゃないか」と以前から言われていました。
「町田市は実は神奈川県」という説は、他にもあります。例えば「小田急線で新宿へ行くとき、必ず神奈川県を通らないといけない」。電車は一度、神奈川県川崎市を通って再び東京に入ります。
次に「町田市内を走るほとんどの路線バスは『神奈川中央交通』のバス」。町田市は東京ですが、バスは神奈川中央交通が“主流”なんです。
また、「神奈川県町田市」と書かれた年賀状が普通に届きます」
さらに、隣接する神奈川県相模原市と町田市は仲がいいのです。両市は地理的にお隣同士でいろいろと交流があるんです。図書館や高齢者福祉施設など公共施設の相互利用をはじめ、市の職員同士の交流も毎年行われているそうです。
そんな町田市民が、こよなく愛する小説があります。直木賞を受賞した作家・三浦しをんさんの小説「まほろ駅前多田便利軒」。映画やドラマにもなりました。
東京の外れに位置する“まほろ市”という架空の町が舞台ですが、東京でも神奈川でもないどっちつかずの“まほろ市”の姿が、まさに町田市そのものなんです。
このように、「東京なのに神奈川」と言われ続けた町田市ですが、イギリスのEU離脱派勝利をキッカケに「東京を離脱すべきだ」とネット上で盛り上がっています。
そこで、私たちはインターネット調査を行い、町田市に住む178人に質問をして113人から回答を得ました。
「町田市が神奈川県にあると間違われたことはありますか?」。
「はい」 68人
「いいえ」45人
「ネット上で町田市の東京離脱問題が話題ですが、町田市は東京から離脱すべきだと思いますか?」
「離脱すべき」 6人
「離脱すべきでない」62人
「離脱すべきではない」と答えた人の理由を見ると…
「何事も東京都が一番」
「東京在住と言えなくなる」
「東京というブランドが無くなるから」
このようにイギリスのEU離脱と違って、町田市民による「東京からの離脱」では、離脱派が勝利することはなさそうです。