特殊なソフトウェアが入ったパソコンを自動車に接続してエンジンを作動させ、車を盗んだとして、大阪府警が大阪市平野区、無職菱田健太郎被告(37)(公判中)を窃盗容疑などで逮捕していたことが、捜査関係者への取材でわかった。
菱田健太郎は昨年9月までの約1年半に高級車の窃盗を繰り返していたといい、府警は156件(約7億1760万円相当)の被害を裏付け追送検した。
捜査関係者によると、菱田健太郎は昨年9月25日朝、大阪市天王寺区内の駐車場で、高級四輪駆動車1台(約1000万円相当)を盗むなどした疑い。容疑を認めているという。
被害車両は「レクサス」「ランドクルーザー」などの高級車が大半。
車には制御コンピューターが特定の電子キーの電波を感知しないとドアの解錠やエンジンの始動ができない装置「イモビライザー」が搭載されている。
菱田健太郎はドアを電動ドリルなどの工具でこじ開け、車内の制御コンピューターにパソコンを接続。
電子キーがなくてもエンジンを始動できるソフトを使い、車を動かしたという。
捜査関係者によると、ソフトは海外のインターネットサイトなどからダウンロードできるといい、府警は入手経路を調べる。
府警は、菱田健太郎の共犯として少なくとも2人を逮捕しており、盗難車の転売先などを調べる。