読書 日本中世の民衆像

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網野 日本中世の民衆像 _01

前半で平民、後半で職人を扱っている

本書で言う平民とは、その大部分が農民で、土地に縛り付けられ、年貢を納める義務を持つ

年貢と言うと米俵をイメージするが、それ以外に広範な内容を包含していた

本書で言う職人とは、平民(農民)以外のほとんどあらゆる職業の者を意味し、手工業者だけでなく、商人、漁師、狩人、芸人、娼婦、医者、呪術師なども含む

職人の最大の特徴は、土地に縛られずに諸国を移動でき、年貢を負担しないこと

職人集団はその特権維持のために、天皇や公家、寺社など権門との関係を表す「由緒書」を所持していた

職人の中のある者は、時代が下ると被差別集団になるのだが、ここに社会の最上部(天皇)と底辺(非人など)のつながりが不思議な形で残ることになる

先に読んだ同じ著者の『無縁・公界・楽』とかなり重複している

筆者は共産党員で、学界主流から外れていたので、天皇制や既存学会をやや敵視している

(^_^;)

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