イカは三角頭巾のある方が頭側で、こちらを上に表示した方が良いのか、あるいは逆か――。
イカが「市の魚」の北海道函館市で、ちょっとした“議論”が起きている。
10日からは、イカやタコなどを研究する世界の頭足類学者の国際シンポジウムも函館で開かれる予定で、シンポを機に一般の論議も深まりそうだ。
シンポ開催が決まった後の今年4月、米ミネソタ大学の中島隆太 准教授(現代芸術)が作成した大会ロゴマークの素案が、各国の学者にインターネットで回覧された。
三角頭巾を上にした図案だったが、国内外の学者からは 「少し違うぞ」との忠告が続出。
中島さんは、一般にゲソと呼ばれる腕の部分を上にした図案に作り直した。
中島さんは「当初の図案は日本の一般的なイカのデザインを意識した」と説明。
そのうえで、「今回は専門家の集まりなので正確を期すため作り直した。結果的に見やすい優れたデザインになったと思う」と話す。
シンポ実行委員長の桜井泰憲・北海道大特任教授は「イカやタコ は腕や目がある方が頭で、消化器や内臓など胴を下に描くのが我々の世界では普通。その意味で最終案がふさわしい」と話す。
分類学上はイカは十腕目、タコは 八腕目で、「頭足類学会」の名称を「頭腕類学会」にすべきだとの意見も一部にあるという。
今年1月に発刊された「新編世界イカ類図鑑」(東京水産大名誉 教授・奥谷喬司著、東海大学出版部)も、ちょっとした驚きを与えた。
日本の一般的な描き方とは「逆さま」にイカが掲載されていたからだ。
発行元の全国いか 加工業協同組合は「10本の腕(足)を上に、三角のヒレを下にした画像の掲載は40年前の初版からで、国際的な学術表記に合わせた」という。
一方、シンポを後援する函館市の観光PRキャラクター「イカー ル星人」(左の写真、イカってますね)は、三角頭巾が上の図柄だ。
市農林水産部では「学術的にはゲソを上に描くのかもしれないが、三角頭巾が上の方が一般には受け取りやすい。急に見直 すことはないが、同種の催しなどで表現に悩む場面が増えるかもしれない」としている。
「国際頭足類函館シンポジウム」は11月10~14日、函館国際ホテルなどを主会場に開かれる。
国際頭足類諮問機構(CIAC)の主催。日本での開催は1991年の静岡県清水市(現静岡市)以来、24年ぶり2回目。
今回は約40か国・地域の約240人が参加し、生態・分類、資源管理などの分科会や市民講演会、ダイオウイカの魚拓などを含む「科学者たちのイカタコ・コレクション展」も開かれる。
問い合わせは函館国際水産・海洋都市推進機構(0138・21・4700)へ。
イカが大好きな よい子のみなさん
どっちを上にしたら イーカな? (^_^;)