東京都八王子市の花街「八王子花柳界」で中学卒業から2年間の修業を終えたくるみさん(18)が、芸妓の卵「半玉」として約50年ぶりにデビューし11日夜に市内でお披露目会が開かれた。
東京都墨田区向島で育ったくるみさんは10歳から習った日本舞踊の師匠の紹介で、八王子花柳界の置き屋「ゆき乃恵」の門をたたき、住み込みで修業を始めた。
置き屋の「お母さん」として面倒を見る芸妓めぐみさん(54)によると、芸妓を志す少女は京都に行くことが多く、八王子花柳界で一から修業する例はほとんどない。
初めて触った鼓や三味線には今も苦労しているというくるみさんは「短い時間のお座敷でも『楽しかった』と思っていただける芸妓になりたい」と目を輝かせた。
八王子観光協会によると、市はかつて絹織物産業が盛んで、明治時代には全国から商人が買い付けに訪れた。
料亭での接待に芸妓が呼ばれるようなったのが八王子花柳界の始まり。
現在はくるみさんを含め19人が活動している。