ノーベル化学賞の受賞が決まった旭化成名誉フェローの吉野彰さん(71)の気さくな人柄について、同社の社員はそう語る。
「ノーベル賞を取った今は『吉野先生』と呼ぶが、
普段は友達のように『よっちゃん』と呼べる」
吉野さんの研究室で約5年、直属の部下として働いた松岡直樹さん(43)は
「成果が出ずに悩んでいる自分をいつも慰めてくれた」
と明かす。
最先端の科学を追究する身だが、意外にも験を担ぐ。
例えば、東海道線を使う際は、「13」という数字を避け、絶対に13号車は乗らない。
毎朝の日課は、NHKのテレビ体操。
ストレッチを兼ねており、仕事などの都合でできない日は、なんとなく落ち着かないという。
カラオケでは、中島みゆきさんの「時代」を好んで歌う。
苦しい時期もあった吉野さんの研究人生と重なる歌詞だ。