著者セネカは、1世紀に生きたローマ帝国の政治家で、ストア哲学を代表する人物
人生は短いのではなく、我々が雑用で人生を浪費しているのだと説いて、「多忙なる怠惰」を戒めている
「明日死ぬつもりで今日を生きよ」というのは、ガンジーの言葉にもあるが、哲学の一つの到達点だろう
表題作のほかに「心の平静について」「幸福な人生について」が収められている
禁欲主義のストア派も、快楽主義のエピクロス派も、最終的に目指すところは、この「心の平静」というところに落ち着いているのが面白い
当時のギリシャ・ローマの時代精神を感じるし、時代を超えた普遍性をも感じる
本書を最初に読んだのは今から四半世紀前で、その後も折に触れて読み返し、今また読み直している
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