40【カルチャー】

読書 ひとりぼっちを笑うな

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3日前に読んだ蛭子さんの本「死にたくない」の続巻(実際は本書の方が先に出版)

友達なんていらない」と、サラっと言うところが、スゴイと言えばスゴイ

いま若い人の間では、SNSなどでも「おまえ友達いないだろ」というのが最大の侮辱の言葉になっているらしい

たしかに極端なワガママとか自己中で爪はじきになってる人もいるかもしれないけど、最初から人間関係に重きを置かないで生きてる人もいるはず

でもいまの日本で「友達なんていらない」というのは、なかなか言いにくいことであって、それを何の衒いもなくサラっと言えるのは貴重な存在だ

 「他人の道を上手に歩くより、

  自分の道を不器用に歩いた方が良い」

と言われるけれども、これがなかなか出来ない

蛭子さんの場合、肩ひじ張って「これがオレの道だ」と言うのではなく、「ボクにはこの道しか歩けないんですよ」といった感じがあって、ほのぼのしてくる

(^_^;)

 

読書 不老の探求

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著者は1927年生まれの現在93歳

海軍兵学校→三高→東大医学部というコースで、京都大学霊長類研究所で脳生理学を研究

50代後半から一般向けの本を書くようになり、いまでは「長生き先生」といった立ち位置になって、日本全国の高齢者団体などから講演に招かれたりして飛び回っている

秦の始皇帝が全てを手に入れて、最後に望んだものが不老長寿

そのためのポイントは「かきくけこ」、つまり

  感動・興味・工夫・健康・恋

ということになるのだとする

本書はそんな著者の日常生活をエッセイ風に語りながら、上記の5要素を軸に、不老には何が良いかを説いている

そのライフスタイルを貫く好奇心と楽天性は、確かに不老の決め手になるように思える

(^_^;)

 

読書 健康の新常識100

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珍しく実用的な本を読んだ

新潟大学の医学部教授が、患者にとって気になる点を取り上げ、分かりやすく、歯切れよく説明している

著者は、最新医学論文の審査に携わっているので、「医療の最先端」を踏まえつつ、従来の健康常識を次々にひっくり返している

疲労の原因物質が乳酸というのは過去の常識で、現在では疑わしいとされている

薬には副作用が付き物だが、まれに副作用が無い(ように見える)薬もある(例)コレステロール値を下げるシンバスタチン

鎮痛剤の進歩で、いまでは末期がんの激痛は著しく緩和されていて、普通に生活出来る場合も多い

魚を食べると健康に良い理由は、よく分かっていない(EPAやDHAの効果は認められない)

ビールのカロリーのうち、吸収されるのは3割程度なので、低カロリー食品と言える(ちなみに日本酒は2割程度)

野菜果物を十分に摂り、適度な運動を毎日すれば、ガンの3分の1は予防できる

傷口にはサランラップを巻け

ウイルスを防ぐには、花粉症用のマスクが良い

血圧治療薬で血圧は下がるが、死亡率は下がらない

「医療の最先端」といっても、この本が出たのが2007年(13年前)だから、その後にまたひっくり返っている健康常識があるのかもしれない

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ちょっと気になったのは、本書の中に「睡眠時間は7時間がベスト」というのがあって、参考データ(↑)も付いてました

7時間というのは、ほぼ従来の健康常識通りですが、気になったのは

「睡眠が少ない人より、多い人の方が死亡率が高い」・・・(A)

とデータから読み取れる点です

私は今まで単純に、

「睡眠不足は不健康で、タップリ眠れば健康に良い」・・・(B)

と考えてたんだけど、上のデータはこれを否定しているように見えます

(A)が真実なら「現在の生活リズムを見直さなくちゃ!」とも思った

でもよく考えてみると、

睡眠時間が少ないのは、若い現役世代が多い

睡眠時間が多いのは、引退した高齢者が多い

とするならば、後者の死亡率が高いのは当然ですよね

いや、そうは言っても、私とは違って

多くの年寄りは早起きだから、長時間眠ってるとは限らない

ということも考えられる

何とも悩ましい・・・

(^_^;)

 

読書 死にたくない

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現代の奇人変人、蛭子さん(71)の人生観が詰まっていそうな表題に惹かれました

とにかく正直な人で、世間体とかプライドとかに無縁で、やや脱力感のある生き方を、淡々と語っています

葬式に出ない理由は、式場でみんなが深刻な顔をして列席しているのを見ると、笑いが止まらなくなるからだという

何か偽善とか形式主義に対する感覚が、人並み外れて敏感なのかもしれない

意外に真面目な働き者で、お金になるなら喜んで、どんな仕事でも引き受けたいという

特にテレビ出演(タレント)は、漫画家よりも楽に稼げるので大歓迎だと正直に告白している

ただ人間関係には非常に淡泊で、出来ればなるべく人付き合いはしたくないようだ

それでも前の奥さんを亡くしたときは茫然自失して、淋しさに耐えられず、必死に「婚活」して現在の奥さんと結ばれた

最近の悩みはボケ始めたことで、よく物忘れをするらしい

もともとボケキャラなので、周囲は役作りなのか地なのか、見分けがつきにくい

(^_^;)

 

読書 ゲゲゲのゲーテ

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妖怪マンガの水木しげるの愛読書がゲーテだった

カントやヘーゲル、ニーチェやショーペンハウエルも読んだが、ゲーテが一番「性に合った」らしい

「ヴィルヘルム・マイスター」や「ファウスト」より、「ゲーテとの対話」が好みだという

片腕を失った戦地にも持って行った

作品よりもゲーテの人間性や生き方が好きなのだろう

人生訓の本家のようなゲーテなので、マンガが売れなくて極貧の時代を乗り切るパワーも、ゲーテから得ていたようだ

したくもない戦争に狩り出されたので、終戦のときに本当に自由を感じたという

人生で最も大切なことは「好きなことをすること」と信じる

そして寝ることが好きだから、マンガが売れて余裕が出来てからは、毎日好きなだけ寝ているそうだ

「葉隠」の山本常朝に似ている

(^_^;)

 

ラムちゃん紫綬褒章

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日本政府は2020年秋の褒章受章者を11/2付で発表した。

受章者は775人(うち女性159人)と27団体。

11/3に発令される。

学問や芸術などで功績を残した人に贈られる紫綬褒章には、漫画家の高橋留美子さん(63)、俳優の中井貴一(59)らが選ばれた。

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公共の利益に貢献した人への藍綬褒章に日本サッカー協会の田嶋幸三会長(62)ら、社会奉仕活動をたたえる緑綬褒章に「スーパーボランティア」の尾畠春夫さん(81、→)らが輝いた。

漫画家の高橋留美子さんは、ラブコメディーを中心にした「るーみっくわーるど」と称される独自の世界観が、公に認められた。

「身に余る褒章をいただき驚きもありましたが、

 しみじみと喜びを感じております」

高橋さんは紫綬褒章受章についてこう、コメントした。

1957年10/10生まれ、新潟市出身。

中学の頃から漫画を描き始め、日本女子大在学中の78年、「勝手なやつら」が第2回小学館新人コミック大賞少年部門佳作を受賞し、デビューした。

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同年にSFラブコメ「うる星やつら」の連載を少年漫画誌で開始。

トラ柄のビキニを着た宇宙人「ラムちゃん」(←)が、多くの中学、高校、大学生男子の心をつかんだ。

80年には若い未亡人で美人のアパート管理人「音無響子」をめぐるラブコメ「めぞん一刻」も青年漫画誌で連載。

熱烈なファンを獲得した。

その後も「らんま1/2」「犬夜叉」など人気作を連発し、少年漫画の分野で女性漫画家の新境地を確立。

代表作はいずれもテレビアニメ化されヒットした。

ファンはアジア圏を中心に世界に広がり、2017年に単行本の世界累計発行部数が2億冊を突破。

19年にフランスのアングレーム国際漫画祭グランプリを受賞。

現在も「週刊少年サンデー」(小学館)で最新作「MAO」を連載中。

「これを励みに今後ますます努力を重ね、

 読者の皆様が気楽に楽しめる漫画をお届けし続けたい」

新たな世界は広がり続ける。

 

▼いままで一番ラムちゃん役にハマっていたすみれさん

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▼深キョンのラムちゃん

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読書 ブッダから親鸞へ

漫画ブッダから親鸞へ_ 加藤泰憲作品集 (響流選書)_01

あるお寺の住職が趣味でマンガを描いていて、彼が亡くなったとき、残された作品を息子がまとめて本にした

趣味といっても、マンガ雑誌に載ったこともあるようで、シロウトの域は脱している

ブッダの十大弟子、妙好人、親鸞の生涯などを扱っている

思想的に深い内容は無いが、素朴な画風にちょっと惹かれる

(^_^;)

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役者・奥野瑛太

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革命や敗戦などで体制がひっくり返ると、旧体制の上層部も路頭に迷う

明治維新では旧幕臣の多くが、単なる失業者に転落した

江戸時代初期には、多くの藩が「お取りつぶし」になって、藩士は禄を失った

何か武士以外の特殊技能を持つことは、本物の武士にとって恥とされていたから、ツブシが効かない人も多くいたことだろう

映画「一命」では、失業した武士の一家が内職をしながら、極貧の中で細々と暮らしていて涙を誘う

(T_T)

 

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朝ドラ『エール』の「智彦さん」(奥野瑛太(←)は、当時のふつうの人である。

がちがちに真面目で、家でも威厳を保つ主人である。

外で起こったことを、家内では話題にしない、というタイプだった。

これは軍人にかぎらず、昭和前半の家庭風景としては、ふつうのことだったとおもう。

ふつうの血の通った人として描かれていた。

軍人だったから、戦争が終わると路頭に迷う。

軍人は「政府の役人」でもあり「戦争という特殊技術の人」でもあった。

でも戦争が終わり、軍は解体されて再軍備は禁止されたので、それまでのキャリアがまったく使えない。

過去のキャリアが何も役に立たない、ただの無職である。

職を探して苦労している姿が見られた。

すべてをもてあましてる感じが出ていて、その姿を見せる役者・奥野瑛太が見事だった。

この人は、とても身体性を強く感じさせる役者だとおもう。

セリフを言う前の存在感がきちんとしていて、その佇まいだけで見入ってしまう。

再就職のときに彼の出した履歴書が映しだされていたが、それには赫々たる履歴が並んでいた。

陸軍幼学校から士官学校に進んだエリートで(幼学校は当時の中等学校にあたる)、卒業後、騎兵隊第十九連隊の少尉に任官。

最後は中佐まで昇進している。すごいエリートである。

最後の昇進はいわゆる「ポツダム昇進」、つまり敗戦が決まってからの昇進ではないかとおもわれるが、それまででも少佐である。

すごく偉い。なんか、軍人さんの位で偉さを測るのは裸の大将をおもいだしてしまうのだが、でもそういうしかない。

履歴書が映し出されたあとに、工場の鉄屑拾いの仕事があるといわれ、そんなものができるかと、憤然と席を立つシーンがあったが、たしかにそうだろう。

陸軍中佐は、ふつう鉄屑拾いをやらない。

プライドがあまりに高い。

詳細はここをクリック

 

 

読書 金閣寺

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金閣寺放火事件を題材にした、三島由紀夫の代表作の一つ

放火犯人は吃音(どもり)に悩む金閣寺の見習僧で、彼の幼いころからの自伝調の内面告白が、三島独特の美文で淡々と語られている

見習僧の「建物フェチ」とも言えそうな、ファナティックな金閣に対する愛が全体の基調を成しているので、犯行動機に感情移入するのが難しい

ジョンレノンの熱烈なファンが、レノンを銃殺した事件を思い出す

彼はやがて浄土真宗の大谷大学に進学し、そこで足の不自由な男と出会い、言葉の不自由な自分との共通性を見出して接近し、親しく付き合うようになる

その親友が語る独特の人生哲学や女性観が面白い

時代背景が第二次大戦の前後で、その時代の空襲の無かった京都の雰囲気が伝わって来る

(^_^;)

 

▼消失前の金閣寺 金箔が剥げて枯れた風情だった

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▼放火による消失直後の金閣寺

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▼再建された現在の金閣寺 創建当時の姿に戻した

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デヴィ夫人が大炎上

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▲若いころのデヴィ夫人

タレントのデヴィ夫人が10/24、情報バラエティー番組『胸いっぱいサミット!』(関西テレビ)の生放送に出演。

「不妊の原因は、九割九分堕胎です!」

とトンデモ発言を繰り出し、大炎上している。

デヴィ夫人は、高額である不妊治療を補助する取り組みに賛成しつつも

「それよりも前に、日本の女性たちに

 掻爬(ソウハ)をさせないことが一番良い」

と切り出し、

「(堕胎を)絶対に禁じりゃいいんですよ。

 皆さん知らないけれど、不妊になるのはあの堕胎が原因です。

 (中略)掻爬されると絶対に着床しないんですよ」

と、もの凄い剣幕で人工妊娠中絶に否定的な意見を述べる。

あまりの暴論に、アナウンサーが

「一部そういった考え方もありますよね」

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と流すも、デヴィ夫人(→)は

「わたくし絶対正しいです!

 絶対正しいです!」

と主張していた。

また、共演者から

「堕胎をしていなくても不妊になっている人は多い」

と訂正されると、

「それは嘘です。前に付き合っていた男の人とそういうことにあって、

 堕胎しましたということを言えないじゃないですか。

 女性は隠してますよ。全員が!」

「本当に不妊の方いるかもしれないけど、

 九割九分は堕胎です。全員堕胎です」

と一歩も引きさがることなく、トンデモ主張を続けるのだった。

この発言は、放送中からネット上で大炎上を招いた。

デヴィ夫人、ひいては番組側に正式な謝罪を求める声があがる中、女性と思しきネットユーザーからは、

《この番組を見た姑から、子どもが居ない私に「あなた中絶経験があったの?」と凄い剣幕で電話がきました デヴィ夫人の問題発言、本当に迷惑です!》

《姑から「堕胎をしたのは結婚前? それとも後?」と夫に連絡がありました》

《私の不妊原因も中絶が原因なんですね(失笑) 知識もないのに発言するのは控えるべきだと思いますよ。 面白いおばあちゃんで好きだったのに、ただの糞婆に降格したわ。 全世界の不妊患者に失礼極まりない》

《何寝ぼけたこと言ってんだ 不妊についてロクに知らないのに テレビでその偏見発言はまずいよね…》

《不妊関係の問題発言の中でも最悪最低の発言だよね。これ一発で芸能界から干されても全くおかしくない》

などと、怒りの声が殺到している。

 

【続報】

デヴィ夫人ことタレントのデヴィ・スカルノ氏が28日、自身のブログを更新。

生放送のテレビ番組で「不妊の一番の理由は堕胎」などの発言で物議を醸している件について、説明するとともに謝罪した。

デヴィ夫人は

「去る10月24日に放送された関西テレビ『胸いっぱいサミット』における私の発言によって、不妊治療に当たっている方々、中絶せざるをえなかった方々等を心ならずも傷づけてしまったり、不快な思いをさせてしまったことは残念であり大変申し訳なく思っております」

と謝罪した。