メンタルヘルス

読書 「がまん」するから老化する

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著者は東大医学部出身の精神科医で、一般向け健康書をたくさん書いている、「売れっ子」健康作家

本業で長年、老人病院(本当に65歳未満は受診できない珍しい病院)で働いていた

間違った健康常識にとらわれた、下手な「がまん(節制)」やダイエットが、逆に老化を進めてしまうとして警告を発している

最近は肉が健康に良いという説が世の中に増えているが、この著者が最初に言い出したのかな?

日本人の寿命が劇的に延びて、しかも見た目も若返ったのは、高度成長期以降で、ちょうど日本人が肉を食べ始めた時期に一致する

それ以前、サザエさんの磯野波平氏のように、54歳は完全に老人だった

定年は55歳で、男の平均寿命は65歳くらいだった

いまどき54歳の人を老人扱いしたら、ギョっとされるだろう

アメリカ人のように、肉ばかり大量に食べていれば良くないが、肉と魚をバランスよく食べることは、非常に健康に良いと力説している

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実は肉と魚を両方、日常的にバランスよく食べている国は、世界でもそれほど多くはなく、日本以外では、フランス、イタリア、スペインくらいだそうだ

著者が絶対にダメ(完全に有害)!と断言しているのはタバコくらいで、いわゆる「飲む打つ買う」、酒、ギャンブル、恋愛や不倫、風俗、SEXなどは、がまんしないで適度にたしなんだ方が、アンチエイジングには良いとしている(家庭内の波乱は、医者なので専門外)

バイアグラは健康に良いので毎日飲め、とも言っている

ホンマかいな~?

(^_^;)

著者のHPへ

 

殺人で性的興奮

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いやー 気味の悪い事件ですね

下の記事で「常軌を逸したような」と書いていますが、これは他の生物に比べて大脳が異常発達して、自我(意識)が肥大化したヒト(人間)という生物の集団の中では、必ず一定確率で発生する異常個体(いわゆる極端な奇人変人)の一種です

その意味で、このような異常個体が時々発生することは常態であり、「常軌の範囲内」と考えて、常に対策を考えておく必要を感じます

多数者(いわゆる平均的な凡人)とは非常に異なる能力や嗜好を持った個人(異常個体)を、多数者集団の側からは、

「天才」「預言者」「救世主」「狂人」「変態」「異端者」「鬼」「魔女」・・・

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などと呼び、時には集団から排除して弾圧し、時には火あぶりにして殺害し、時にはその能力を集団のために活用してきたのが、我々人類の歴史です

このような遺伝のブレ(少数の異常個体)が発現した方が、環境変化などに対して集団(種)の生存を維持する上で有利なので、このような発現が続いているのではないかと思われます

とにかく、このような異常個体は、少数とは言いながらも、集団の中に必ず一定確率で発現するものであり、避けることは不可能で、無視することは集団にとって建設的な態度ではありません

最近はLGBTの人権が重視されるようになりましたが、少し前までは「ヘンタイ」などと呼ばれて差別されたり、法律で禁じられて処罰の対象にもなっていました

ようやく人類は、異常個体ではあっても他人に迷惑をかけないのなら、その権利は広く尊重しようという社会に到達したようです

精神医学的に見れば、LGBTも「殺人で性的興奮を覚える人間」も、必ず一定確率で発生する異常個体という意味では、よく似た存在かもしれませんが、他人に迷惑をかけるかどうかという点では、まるで違った存在なので、法的にはハッキリ区分する必要があるのは当然です

このとき留意すべきことは、

a)このような異常個体が、集団の中に、必ず一定確率で発生する

b)しかも遺伝子(DNA)レベルによる発現なので、正常者(集団の多数者)に変化する(矯正される)可能性が極めて低い

という点です

このような異常個体の心理を研究する「異常心理学」には、例えば相手が死体でないと性欲を感じない、というような気味の悪い事例が山ほど出てきます

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本人に悪意はまったく無く、例えば相手が同性でないと性欲を感じないのと同じように、死体でないと性欲を感じないのです

同性愛者が教育によって異性愛者(多数者、ふつうの人)になる可能性が極めて低いのと同じように、死体愛者がふつうの人になる可能性も極めて低いのです

刑事罰の目的には、大きく分けて

1)報復目的 被害者の報復感情を国家が代行する。「目には目を」のハンムラビ法典がその代表

2)矯正目的 加害者が正常者になるように教育して矯正する

3)隔離目的 加害者の暴力から社会(多数者集団)を守る

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という3つの考え方があるようです

現在の日本の刑法学の主流は(2)の矯正目的で、特に現在の日本の少年法には、この考え方が色濃く反映されています

現在の少年法に対する批判の多くは、(1)の報復目的が余りにも無視されているという視点から為されているようです

娘を殺された親からすれば、まず何よりも(1)の報復刑を求めるのは、人情として理解できます

しかし、DNAレベルで発現した可能性が高い「殺人で性的興奮」を覚える異常個体に対して、まず何よりも必要なのは、(3)の隔離目的であることは明白です

今回の殺人犯・岡庭由征も、16歳の時の凶悪犯罪(面識のない少女2人を刺した)にもかかわらず、現行の少年法によって間もなく社会に戻され、社会から隔離されることなく、今回の殺人に及んでしまいました

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彼を知る周囲の人々から「いずれまたやるだろうと思っていた」という発言が出ているそうですが、彼の近隣で生活してきた人たちの感じたであろう薄気味悪さは、想像するに余りあります

困るのは、刑事事件の加害者(犯人)でも、矯正が可能な者と、それがほとんど不可能な者が混在しているという事実で、裁判の中で両者を明確に見分けることが、最新の心理学や精神医学をもってしても、なかなか完璧は期し難いという点です

人間の意識や心の闇を探求したコリン・ウイルソン(→)は、右脳や創造性と共に、異常犯罪者の心理についても探求をすすめましたが、残念ながら彼の天才をもってしても、明確な解決策には至っていません

((((;゚д゚))))

 

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茨城県境町の住宅で2019年9月23日未明、小林光則さん(当時48)と妻の小林美和(同50)さんが何者かに刃物で刺されて殺害され、長男(同13)と次女(同11)が重軽傷を負った一家殺傷事件。

茨城県警は5月7日、これまで別件で逮捕されていた埼玉県三郷市に住む無職・岡庭由征(26)を殺人容疑で逮捕した。

殺人犯・岡庭由征(おかにわよしゆき)は、2011年(当時16歳)、「連続少女通り魔事件」でも逮捕されている。

当時、通信制高校に通っていた殺人犯・岡庭由征は、2011年11月18日、三郷市内で下校中の中学3年生の女子生徒に自転車で背後から近づいたのち、無言であごを包丁で突き刺した

さらに12月1日には、隣町の千葉県松戸市内にて、小学2年生の女児のわき腹を複数回刺した

どちらの被害者も重傷で、殺人犯・岡庭由征との面識はなかったという。

2011年の逮捕の際、家宅捜索では20本以上の刃物が押収された。

さらに裁判では

『女性を襲う事に、性的興奮を感じていた』 ←この発言が特に重要!

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『当初は殺害し、首を持ち帰ろうと思った』

など常軌を逸したような証言を繰り返していた。

殺人犯・岡庭由征は、自宅に硫黄45キロを貯蔵しており、毒ガスや爆弾を製造していた疑いもある。

2月15日には、警察手帳につける記章を偽造したことで、公記号偽造容疑で逮捕されている。

2020年11月19日の早朝4時半ごろ、4台ほどの護送車が殺人犯・岡庭由征の自宅周辺に停まった。

うち1台には「高圧ガス」と書かれていた。

県警は、2020年5月から内定を進め、24時間体制で殺人犯・岡庭由征の動きを監視し続けていた。

凶悪事件を起こした前歴がある殺人犯・岡庭由征は、いつ暴走するかわからない。

刃物だけでなく、爆薬や毒物も所持しているという情報もあり、テロを想定した人員で早朝の身柄確保に望んだ。

現場には、爆発物処理班も待機させていた。

 

読書 右脳の冒険

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コリン・ウイルソンが、人間の意識の構造について書いた「フランケンシュタインの城」の続編(実践編)ともいうべき作品

人の意識に関する私の問題意識の原点は

「天国は人の心の中に存在する

 地獄もまた同様である」

という言葉に要約される

天国が人の心の中にあるか、西方浄土にあるか、宇宙のかなたにあるか、そんなことよりまず

「私は天国の住人になりたい!」

ということなのだ

すると、西方浄土や宇宙ではなく、自分の心(脳)の中に天国があるのなら、もしかすると天国の住人になるということは、自分の意志の力で可能なのではないか?という問題意識が生じる

本書は、この問題意識に対する解答を提供しようとしている

 

読書「荒野のおおかみ」天才ヘッセの生きづらさ

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自分は人間ではなく、荒野から出てきたおおかみだということを、心の底でいつも知っていたという男の告白の体裁をとった、ヘッセの内面的な自伝。

コリン・ウイルソンの言う「アウトサイダー」の典型の、その生きづらい人生を克明に描写している。

今では常識化しているが、ごく大雑把に言うと、人間は右脳と左脳が機能していて、右脳が情動(無意識)、左脳が理性(意識)を支配している。

多くの人は、この2人の支配人の間で、何とかバランスをとって生きているが、特に脳が肥大化した人(いわゆる天才)にあっては、このバランスが崩れ、自意識が過剰化し、いわゆる精神の分裂状態を招きやすい。

クレッチマーの気質分類(↓)に無理に当てはめると、右脳優勢が粘着型、左脳優勢が分裂型、ほぼ拮抗してるのが循環型かな?

右脳左脳論が流行するよりもずっと前、ウイルソンが「アウトサイダー」で文壇に華々しく登場するよりも前に、天才ヘッセは人の脳の複雑な多重構造に着目していた。

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ヘッセに言わせれば、人の精神の分裂は2つだけに限られず、実は非常に多くの人格に多重分裂しており、その不安定な統合体が人間であるとしている。

人間の意識の多重性や奥深さには、古来多くの文学者や哲学者が着目してきた。

古くはブッダもこの点に着目し、非常に深い認識論を展開しているようだ。

(^_^;)

 

▼クレッチマーの気質分類

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読書 ものぐさ精神分析

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この本を初めて読んだのは20年以上も前だが、読み始めたとたんにグイグイ引きづりこまれて、正続あわせて800ページ以上、ほぼ一昼夜で読み切った記憶がある(余りにも面白くて面白くて、興奮して夜も眠れなかった)

冒頭に

「フロイド理論は

 何よりもまず

 社会心理学である」

とある通り、個人の深層心理がいかに社会現象として現出するかを主に扱っている(著者は、フロイではなくフロイと表記している)

つまり、毎日のニュースに現れるような社会現象や歴史上の事件を、フロイト理論の立場から、バッサバッサと切りまくる、その分析の切れの鋭さが実に痛快なのだ

本当の発見とは、まったく未知の存在を発見することではなく、今まで何気なく見ていた存在(世界)がまったく違って見えるような、そんな斬新な視点の発見であると言われるが、まさにそれを体験できる

しかもそれは、どうでもいいような世界の話ではなく、自分自身の一回限りのかけがえのない人生の生き方に深く関わって来るのだから切実感がある

著者は自分の立場を「唯幻論」と呼んでいるが、

「この世のすべては、幻(まぼろし)である」

という考え方は、日本人の考え方や生き方に合っているようにも思えるし

「人間は、本能が壊れた動物である」

という主張は、人の心の闇を解析する上で実に示唆に富んでいる

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20世紀の天才による三大理論というと、アインシュタインの相対性理論、マルクスの共産主義理論、そしてフロイトの精神分析理論というのが定番とされている

この3人がすべてユダヤ人というところに、ユダヤ人のすごさが感じられる

フロイト理論は創始から100年以上が経過し、新しい学説による様々な批判も受けているが、人の心の闇を解析するための最も基盤となる理論としての重みは変わらないように思える

フロイト理論をより高い視点から批判したと主張する同時代の学者に対して、フロイトは

「巨人の肩の上に乗った小びと」

と手厳しく反論している

ピュアなフロイト理論なら、フロイト自身の著作に当たるのが良いのかもしれないが、フロイト理論を楽しく学ぶなら、本書は超オススメです!

(^_^;)

 

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▲ギリシア神話の盲目の巨人オーリーオーンと

その肩の上に乗る小びとケーダリオーン (プッサン、1658年)

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このところ書評(読書感想文)が少ないのは、関心が一時的に別のことに移ってサボっているからです

読書そのものは続けていますし、今までも読んだ本のすべてに書評を書いていた訳ではありません

また気が向いたら、バリバリ書評も書きますね

(^_^;)

 

読書「フランケンシュタインの城」意味の欠乏

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大学時代、工学部だったので、「意味の欠乏」に悩んだ記憶がある

工学部は、科学技術を用いて世の中を変革するための方法を研究をする場所だ

そこでは主に「方法」が議論され、「意味」はほとんど議論されない

方法の議論とは、HOWの追求(方法論)であり、そのためには世界の成り立ちを「原因と結果」の連鎖として解明し、その一方の究極は宇宙成立のビッグバンにまで及ぶ

意味の議論とは、WHYの追求(意味論)であり、世の中を「目的と手段」の連鎖として解明し、広くは人類や宇宙の存在にとって、狭くは自分ひとりにとっての、存在や行動の意味(価値)の中身を明らかにしようとする

毎日、詳細な工学的方法論を頭に詰め込んでいると、「いったい、これらは何のためにあるのか?」ということが気になってくるのだが、そのような哲学的な意味論は自然科学の対象外であるとして、工学部では余り議論されないことになっている

という訳で、若かりし私は、「意味の欠乏」に悩んだ

まったく同じような生活環境や状況に置かれていても、そこを天国と感じている人もいれば、地獄と感じている人もいる

「天国は人の心の中に存在する。地獄もまた同様である」

と言われるが、まったくその通りだ

毎朝目が覚めると、今日もまた天国のような世界で活動できることに喜びを感じ、ワクワクしながら生きている人がいる

毎朝目が覚めると、今日もまた地獄のような一日かと感じて、会社や学校へ行くのにもウンザリして、生きることに何の喜びも興味も感じない人がいる

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世界の受け止め方における、この大きな違い(天国と地獄の違い)を生じさせているものは、いったい何だろうか?

言うまでもなく、それは人の心(脳)であり、「意識」と呼ばれている

本書は副題にもある通り、その意識のメカニズムを明らかにしようとしており、これは著者コリン・ウイルソンが生涯をかけて追及したテーマでもある

(^_^;)

 

会長、ここはキャバクラじゃありませんよ

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▲森喜朗と池江璃花子 まるで銀座のクラブ

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 83歳ですから、もうたぶんボケてますね

 本人には何の悪気も差別意識も無さそう

 幼児のように天真爛漫に放言してるだけ

 この人は政策策定能力はゼロに近いが

 元ラグビー選手で、後輩への面倒見がいい

多くの後輩政治家が「森さんには世話になった」と義理を感じている

だから面と向かって「辞めろ!」とは、なかなか言えない空気がある

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真珠湾攻撃の直前に「この戦争は無茶だ!」と誰も言えなくなった空気に似ている(そして310万人が死んだ)

とにかく調整役が重要なプロジェクトでは便利な存在なので

「神輿(みこし)は軽くてパーがいい」

という訳で、かつぎ上げられて東京五輪のトップになった

海外にはあまりいない、人間関係至上主義の日本独特の政治家

正確には政治家と言うより「人間関係調整屋」とでも呼ぶべきか

(^_^;)

 

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東京五輪・パラリンピック組織委員会の会長・森喜朗が2/4、都内で取材に応じ、女性蔑視発言について「おわびしたい」と陳謝し、発言を撤回した。辞任は否定した。

森喜朗は2/3の日本オリンピック委員会(JOC)臨時評議員会で

「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」

などと放言。

女性参画の時流に逆行する舌禍で国内外からバッシングされていた。

といっても、森会長は〝失言王〟で知られ、特に女性蔑視は強いとされる。

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過去には2014年2月、ソチ五輪のフィギュアスケート女子ショートプログラム(SP)で浅田真央さん(→)が転倒して16位発進となったことに

「大事な時には必ず転ぶ」

とぶちまけている。

ほかにも、競泳女子の池江璃花子(20=ルネサンス)を強引に同席させて周囲をドン引きさせたことがあった。

2019年1月、都内で電通の新年会があった。

政財界やスポーツ界、芸能界などから4000人ほどの関係者が出席。

五輪を通して電通と太いパイプがある森喜朗、そして当時は白血病を公表する直前の池江の姿があった。

「森会長は電通の人と懇談していましたが、

 池江選手の姿を見かけるや『ここに座って!』と声をかけ、

 自分の左隣に座らせたんです。

 しかも結構、強引に(苦笑)」(出席者の一人)

池江は当時、東京五輪の金メダル大本命と評されたトップスイマーだったが、組織委のドン森喜朗から〝指名〟されれば断りきれないだろう。

出席者は一様に

「会長、ここはキャバクラじゃありませんよ」

と本人に聞かれないよう陰で笑っていたという。

 

読書 うつうつひでお日記

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女子高生風ロリコン少女漫画の元祖として一世を風靡した吾妻ひでおの2004~2005年(54歳ころ)の日記

人生の後半に躁うつ病(双極性障害)が悪化し、さらにアル中、不眠症、頭痛腰痛などで創作意欲が減退して、商業マンガ雑誌の連載が激減し、うつ状態による無力感と貧困にあえいでいた

そんな悲惨な毎日を、淡々とユーモラスに日記にしたためている

好きな時間に寝て、好きなもの食べて、好きなことだけして、好きな人とだけ会ってる毎日なので、はたから見たら快適な毎日のようだが、うつ病なので内面はかなり苦しい

ふつう、うつ病になると何もしたくなくなるのだが、本だけは毎日読んでいるので、読書欲は衰えなかったようだ

断腸亭日乗に限らず、日記を読むというのは、他人の生活や心の裏面を見るような背徳的な楽しみがあるのだが、この日記は余り格好つけたり創作したりせず、セキララな毎日を描いていて非常に面白い

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抗うつ剤、精神安定剤、睡眠薬、鎮痛剤に頼る生活が続き、自殺未遂をしたり、数か月に及ぶ失踪(ホームレス生活)をしたりする

ホームレス生活中の日々を書いた日記が「失踪日記」として2005年に出版されて大ベストセラーになり、人気漫画家として復活する

2019年(69歳)に食道がんで死去

(^_^;)

 

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▲躁うつ病、アル中、不眠症、頭痛腰痛に苦しむ

 

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▲たびたび幻覚を見るようになる

 

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▲女子高生風ロリコン少女漫画の元祖だった

 

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▲アル中仲間の中島らもの死には、大ショックを受けた

 

読書「超越意識の探求」毎日ワクワクする感覚

35260674人生は素晴らしいという感覚、毎日がワクワクするような感覚を、著者コリン・ウイルソンは「超越意識」と呼んでいる

マズローの心理学における「至高体験」と似た感覚

人の意識には、いろいろなレベルがあり、ほとんど寝ているようなレベルで受動的にボォーっと生きている人もいれば、その反対に非常に高い創造性と幸福感に包まれて生きている人もいる

この違いは何なのか?というのが本書の問題意識であり、著者が人生をかけて追及してきたテーマでもある

とてつもなく大きな業績を達成した人を見ると、人間の潜在能力の可能性に目を開かれる想いがすることがある

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そのような人に共通しているのは、「意味の感覚」であって、人は意味を感じた目標に集中する時、人間離れした非常に高いパフォーマンスを発揮することがある

この状態を「自己実現」と呼ぶこともある

たいていの人は、潜在能力の何分の1、何十分の1の低いレベル、つまり自己実現から遠く離れたレベルで生きている

では、どのようにすれば「意味の感覚」をつかみ、人生は素晴らしいという感覚、毎日がワクワクするような感覚の中で生きることが出来るのか?

それをなるべく分かりやすく、マニュアル的に説明しているのが本書なのだが、私もまだ十分に理解し切れていないようで、うまく要約できません

もっと興味のある方は、本書を読んでみてください

(^_^;)

 

読書「荘子ヒア・ナウ」自己と宇宙の一体化

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詩人・加島祥造が、老子と荘子を、かなり自由に(換骨奪胎して)翻訳、詩にしている

儒教を中国の表の思想とすれば、老荘は裏の思想

儒教を職場で着るスーツとすれば、老荘は家に帰ってのんびり着る浴衣(あるいはパジャマ)といった感じ

西洋思想が自己と自己を取り巻く世界(宇宙)を対立させて考えるのに対して、東洋思想は

  自己と宇宙の一体化

を理想とする傾向がある

この一体化した境地を、老荘では「無為自然」と呼んでいるようだ

宇宙の原理(道=タオ)を信頼して我が身をゆだね、余計なはかりごとをしない生き方

インド哲学(ヒンズー思想)でも、自己意識の核心(アートマン)が宇宙の根本原理(ブラフマン)と一致すること(梵我一如)を理想としており、よく似ている

詩人の優しい詩で語られる老荘思想は、読んでいて楽しい気分になる

(^_^;)