女性に睡眠導入剤を混ぜた飲食物を食べさせて乱暴したとして、警視庁築地署は11日、準強制性交容疑で、三菱UFJ銀行の社員、千秋凉祐(りょうすけ)容疑者(28)=東京都中央区佃=を逮捕した。
三菱UFJ銀行の社員、千秋凉祐は「思い出せない」と強姦容疑を否認している。
三菱UFJ銀行は同日付で千秋容疑者を懲戒解雇とした。
三菱UFJ銀行の社員、千秋凉祐の逮捕容疑は、昨年12月16日夜、同区内の居酒屋で、都内に住む30代女性に睡眠導入剤を混ぜた飲食物を食べさせて意識をもうろうとさせ、当時住んでいた墨田区内のマンションに連れ込んで強姦したとしている。
警視庁築地署によると、三菱UFJ銀行の社員、千秋凉祐はマッチングアプリで女性と知り合い、同日に初めて会ったという。
女性は翌17日に警視庁築地署に強姦被害を届け出ており、尿検査で睡眠導入剤の成分が検出された。
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20代女性ら10人に睡眠作用がある薬物を飲ませて暴行したとして、準強制性交などの罪に問われた三菱UFJ銀行の元行員、千秋凉祐被告(29)に、東京地裁は21日、懲役22年(求刑懲役25年)の判決を言い渡した。
児島光夫裁判長は、マッチングアプリで知り合った被害者と飲食店で会い、離席した隙に薬物を飲み物に入れ、抵抗できない状態になるように仕向けたと指摘。
「計画的な犯行で悪質だ。性欲を満たすための
身勝手な動機に酌むべき事情はない」
と述べた。
判決によると、平成30年12月~令和元年5月、20~32歳の9人に東京都中央区銀座などの飲食店で睡眠作用がある薬物を飲ませ、ホテルや被告の自宅で暴行。
ほか1人は未遂だった。
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「昨年12月上旬に容疑者と被害者女性はマッチングアプリで知り合い、その後はLINEでやりとりをしていました。そして、事件当日に居酒屋で初めて会ったんです」(全国紙社会部記者)
7月11日に準強制性交容疑で警視庁に逮捕された元三菱UFJ銀行勤務・千秋凉祐容疑者(28)は実に狡猾(こうかつ)だった。
千秋容疑者は昨年12月中旬に年上の30代Aさんと東京・銀座の居酒屋で会うと、酒に睡眠薬を混ぜて飲ませた。
それによりAさんの意識は混濁。
その後、朦朧(もうろう)とした彼女は千秋容疑者の自宅に連れ込まれて、性的暴行を加えられたのだ。
「被害者の意識が完全に失われていないことから、使用されたのは比較的効果の弱い睡眠薬でしょう。
医師に不眠を相談すれば、簡単に入手できます。
最近、マッチングアプリで出会った女性に『レイプドラッグ』と呼ばれる睡眠薬を使用してレイプを行う卑劣な行為が横行しています。
男性は若いエリートサラリーマンが多い。
彼らは、ネット上のマッチングアプリでは人気が高く、すぐに相手が見つかる。
しかも、どの睡眠薬をどれくらい使用すれば、望む効果が得られるかを理解しているので悪質です」
(薬物犯罪に詳しいジャーナリストの竹村明氏)
千秋容疑者の計算外だったのは、Aさんの勇気ある行動だった。
翌日、下腹部に違和感があった彼女はすぐさま築地署に相談。
尿から睡眠作用のある薬物が検出された。
さらに複数の防犯カメラに千秋容疑者とAさんが映っており、家宅捜索で千秋容疑者の自宅から睡眠薬も見つかって逮捕となった。
「千秋は上智大学卒で語学が堪能なうえ、ITにも詳しかった。
事件当時、彼は子会社の三菱UFJインフォメーションテクノロジーに出向していました。
これは本人の希望でもあり、ITシステム分野での今後の活躍を期待されての人事だったそうです」
(前出・記者)
逮捕当日に千秋容疑者は銀行を懲戒解雇。
知識を悪用してすべてを失った。